室内で暖房を使うシーズンになると、窓の近くに近寄った時のヒヤっとするあの感じ、嫌ですね。外気に冷やされた窓ガラスを通じて、室内の空気が冷やされます。また、窓サッシの隙間から屋外の冷気が入ってくることも、よくあります。そして、一晩経てば夜中の冷え込みで窓には結露が発生してしまいます。
窓の結露と冷たい空気の侵入を同時に対策できる、二重窓的な窓断熱の作り方を説明します。
内窓で冷気を抑える
窓の断熱には、冷気と暖気ができるだけ接触しないよう、窓ガラスよりも熱が伝わりにくい空気層を作ることが大事、と分かっています。複層ペアガラスの窓サッシや内窓は、その原理を使ったものです。
空気層を作るために使える、いくつかの材料を比較して説明します。
空気を閉じ込めた材料
プチプチやプラダンシートが、窓の断熱として定番です。部材に空気を閉じ込めた構造で、もともとは緩衝材や養生を目的として用いられています。
100均で手に入りますので、コストパフォーマンスにも期待できます。
100均で売られているプチプチ、窓ガラス用断熱シートと、ホームセンターで売られているプラダンシートの違いを見ていきましょう。
プラダンシートは、段ボールと同じ3層構造をプラスチックシートで構成したものです。表面と裏面の中間に空気層があります。構造的に強度が高く、地面に自立させることもできます。
プチプチは、100均の梱包材売り場にも置いてあります。その他に、見た目が近いのに「夏は涼しく、冬は暖かい」という売り文句が書かれた断熱専用のプチプチも手に入ります。
普通のプチプチは、片面はシート状になっていて、もう片面は空気で膨らんだ凸部が並んでいます。一方、断熱シートと書いてある方は、片面ともう片面がシート状になっていて、その間にプチプチした空気の凸部が挟まれています。
汎用のプチプチは2層構造で、断熱シートは3層構造です。3層のほうが少し硬く形状の保持強度がありますが、空気層の大きさは2層構造と大差はありません。
100均商品の一例ですが、二層構造のプチプチは1.2m×1.2m、三層構造の断熱シートは0.9m×0.9mとなり。単価は約2倍違います。
光の透過量を比較
二重窓としてつけたいので、どのくらい光が透過するのかも重要です。
プラダンシートは、プチプチや断熱シートより薄いのですが、プラスチックの色味のせいか、やや光の透過量が少ないようです。ちなみに、プラダンの肉厚は2.5mmで、プチプチと断熱シートは3.5mmです。
プチプチと断熱シートは、空気層の大きさは同じです。単価が安い二層構造のプチプチがコストパフォーマンスが良いことになります。
次は、窓断熱の作り方です。
断熱窓の作り方
窓にプチプチを直接貼りつけるだけではダメでしょうか。断熱シートは両面テープなどで窓の内側に直接貼り付けることを推奨しています。
窓ガラスを通じて室内の熱が屋外へ伝わるのに加えて、窓レールとサッシの隙間から室内に侵入する冷気が、足元をスースーさせます。隙間風は窓のガラス面にプチプチを貼っただけでは防げません。物理的に窓枠を覆って、冷気の侵入を遮断する必要があります。
プチプチで窓ガラス面の全面を覆ったとしても、金属サッシ(アルミサッシ)まで暖気が触れないように覆うことは難しいので、冷えたサッシの表面で結露が発生することは防げません。
ですので、従来の窓ガラス面には接触させない内窓で、隙間風をシャットアウトし、断熱層を作ることが必要です。
網戸を自作する別の投稿で取り上げている、SPF材を組み合わせて窓のサイズに合わせた木枠を作る方法を二重窓に応用します。木枠と既存窓枠の密着によって隙間風をブロック、更にプチプチを木枠にのみ両面テープで貼り付けて、空気の層を作ります。
既存の窓の内側に内窓を作り、空気層ができました。これで窓断熱の効果があります。
ただし実際は、プチプチだけを薄い両面テープで貼り付けても、プチプチ自体に強度がなく剥がれる箇所がでてきます。
より扱い易くするには、薄い両面テープと併用して、網戸ネットを使ってタッカーでも木枠に留めます。網戸ネットは、もともと枠にピンと張って使うもので、光を遮らずプチプチをサポートするのに適当である上に、タッカーの針が良くかかる利点があります。
これが改良版です。プチプチが網戸ネットでがっしりと押さえられ、木枠にぴたっと貼り付けることができています。
まとめ
作り方は一例ですが、窓サッシのレール部から侵入する冷気をシャットアウトすることを意識して、枠を設計してみてください。
プチプチだけで冷気遮断と空気層に仕上げるのが難しい場合は、プチプチは窓に貼り、プラダンで足元に冷気避けを作るなど、機能を分けても構いません。
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