木が浮き始めたら、電動ドリルを逆回転に切り替えて戻しを何回か繰り返します。こうすると締結側の木に下穴が開き、その後は木が浮かずに締め込めます。

解説

コーススレッドで木が浮くなら


コーススレッドで木材同士を固定する場合、手で木材同士を押さえることは普通にやりますね。

それなのに、コーススレッドを打ち込んでいくと木材が浮いてくることがあります。

電動ドリルの使い方に起因

一つ目の理由は、コーススレッドが固定したい木材を貫通した後、ネジ先端が次の木の中に入らず止まるからです。

ネジ先端が木を削り始めますが、すぐには穴があきません。

その間はネジが前進しないので、貫通した木材側がネジの回転で後退するようになります。

電動ドリルのコツ

コーススレッドが次の木材に入り始めたら、インパクトドライバーの正回転⇒逆回転を繰り返し

次の木材に下穴状の穴ができてから正回転で打ち進めると、浮きを抑制できます。

コーススレッドの構造起因

二つ目は、コーススレッドやビス、木ネジの構造に起因します。

先端はネジの呼び径が細くなっているため、ネジ山のピッチが等間隔の時には先端の一回転で進む距離が小さくなります。

よって、貫通した木材側、つまり根元側はネジの回転で木材が後退します

実際のコーススレッドでは、呼び径が細いところではネジ山のらせん角度を徐々に大きくするなど、調整されています。

こうして、進入距離の差を緩和するようにできていますが、一つ目と二つ目の原因が重なって、根本と先端で進入スピードに差が出るのは仕方がありません

半ネジの効果

コーススレッドの仕様で、半ネジと全ネジがあります。

半ネジは、ネジ胴の中間かそれより頭側から先端にかけて、ネジが切られています。

固定したい木材にネジ部がかからないように、適した長さのコーススレッドを選ぶことで、木材の浮きを防ぐことができます。

バイスを使う

一番確実なのは、バイスを使って木材同士をぴったり接触するよう押さえて、コーススレッドを打つ作業をすることです。

バイスを持っている方は、面倒がらずにバイスを活用しましょう。

バイスいろいろ

作業中、二枚の平板同士を固定する用途であれば、据え置きタイプのバイスよりも、プライヤータイプのバイスプライヤーが便利です。

プライヤーなのにバイス機能があるので、持ち手を握るほど強くつかむことができ、しかも緩みません。

外すときは、解除レバーで簡単に緩められます。

一つ持っていると、日常生活の中で強くつかみたいところで便利に使えます

直角に把持したい

板同士や角材同士を直角に把持しておきたいこともあります。2×4材の組み立てなど、特にその状況が生まれます。

そんな時は、コーナークランプが役に立ちます。クランプを締めこんでいくと、直角配置になっている板同士を均等に固定できる優れた工具です。

家族の手を借りて直角に押さえてもらわなくてもよく、直角がぴたっと出せてしまう、この道具は便利です。