おなじみのカラーボックスは、もともと収納を増やすために使うものですが、縦横の凹凸が少ないこのカラーボックスを工夫しておしゃれな机を実現している人が増えています。
一人暮らしの方や、子供部屋にまずは簡単な机を置きたいなど、場所を取らない机がないかなと考えるときに、すぐ手に入るニトリや無印、IKEA、カインズのカラーボックスを組み合わせて、机にできると嬉しいですね
机を製作しよう、と考えたときに、不安に思う一つは机としての強度でしょう。カラーボックスに板を載せたり、机の上に本を載せたりしても、強度はあるのでしょうか。
カラーボックス本体の強度
机にするためには、カラーボックスの上から板を載せることになります。
カラーボックスの素材は、繊維板(MDFやパーティクルボード)がほとんどです。軽く、断面も綺麗で、無負荷で長期間保管しても寸法変化が少ないという特長があります。
繊維板は、一枚板や集成材、合板と比べて強度が大きい素材ではありません。ですが、板に対し縦方向に掛かる力については、強度的に問題ありません。
縦の板にある荷重をかけたときに、板が曲がるときの限界荷重は計算で求めることができます。板の高さを900mm、板厚を12mmとした時、
板の幅:450mm→480kg
板の幅:300mm→320kg
板の幅:150mm→160kg
となります。日常使いで強度は全く問題なく、更に板単体ではなく箱状に組み上げますので、重さが一枚の板だけにすべて掛かることはなく、気にしなくても大丈夫です。
板材の強度
板材は、薄すぎてもたわみますし、厚すぎても重くなり、カラーボックスに負荷がかかります。たわみは計算で求めることが可能です。
板に対し、どのくらい重いものを載せるかはケースバイケースです。最悪ケースとして、
・デスクトップパソコン本体 15kg
・液晶モニター 5kg
この両者を(あり得ませんが)板の中央に同時に載ったとして、20kgが掛かるときの試算にします。
板材の材料として便利な、パイン集成材とスギ合板(ベニヤ板)で」、板材の幅と板厚を変数として、たわみを試算してみます。
パイン集成材
奥行450mmの場合の試算です。たわみが1mmのラインで良否を分けてみます。
奥行450mm | 板材の支点間の距離 | ||
板材の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 1.6mm | 5.8mm | 14.1mm |
18mm | 0.5mm | 1.7mm | 4.3mm |
24mm | 0.2mm | 0.7mm | 1.9mm |
板材がカラーボックスに掛かる位置を支点とした場合、支点間の距離が広くなると、たわみに弱くなるため、板材を厚くする必要があることを示しています。
奥行600mmの場合の試算です。たわみが1mmのラインで良否を分けてみます。
奥行600mm | 板材の支点間の距離 | ||
板材の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 1.2mm | 4.4mm | 10.9mm |
18mm | 0.3mm | 1.3mm | 3.4mm |
24mm | 0.1mm | 0.6mm | 1.5mm |
450mmの時とおおむね同じで、板材の幅を狭めるか、板厚を厚くするかのどちらかです。
スギ合板
奥行450mmの場合の試算です。たわみが1mmのラインで良否を分けてみます。
奥行450mm | 板材の支点間の距離 | ||
板材の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 4mm | 14.1mm | 34.1mm |
18mm | 1.2mm | 4.3mm | 10.6mm |
24mm | 0.5mm | 1.8mm | 4.6mm |
スギのベニヤ板はたわみ的に厳しいですね。載せたものが傾いてしまうため、板材の幅を狭め、板厚も大きくとる必要があります。
奥行600mmの場合の試算です。たわみが1mmのラインで良否を分けてみます。
奥行600mm | 板材の支点間の距離 | ||
板材の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 3.1mm | 10.8mm | 26.4mm |
18mm | 0.9mm | 3.3mm | 8.3mm |
24mm | 0.4mm | 1.4mm | 3.7mm |
450mmの時とおおむね同じで、まずは板材の幅は狭めに、板厚も大きく取ります。ベニヤは最大強度で比較すると、集成材にはかないませんので、重量が大きい用途では使えないかもしれません。
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