回答:
カーテンレールを把持する金属部品(ブラケット)を強固に取り付けるため、壁の下地を確実に探し当てる。
解説
マンションやアパートに新しく入居した時、大きい窓なのにカーテンレールがついていない場合があります。
新居を購入する際、費用を安くあげるため、様々な内装施工のうち自分たちで施工できるものは、見積もりから除く方もいることでしょう。
中でもカーテンレールは、窓の数の分だけ、材料費と施工費がかかります。自分たちでできれば、その施工費は、他の費用にあてることもできます。
カーテンレールを自分で取り付ける時に失敗しないため、注意点を説明します。
カーテンレールのしくみ

カーテンレール本体を把持している、壁や天井にネジで固定される部品が、ブラケットです。
ブラケットに取り付けられているのが、カーテンレール本体。
カーテンを吊るす、フックがかかる穴があいた白い部品がレールに入っていて、ランナーと呼びます。
ブラケット部分に、カーテンレールとカーテン本体の重みがすべてかかります。
ブラケットの位置を調整して、安定した壁に取り付けないと、カーテンごと落ちる失敗につながります。
下地を探す意味

一般の住居では、壁の裏は意外とスカスカです。
私たちが普段見ている壁紙の裏には、石膏ボードがあります。石膏ボードの裏には、ところどころに柱が立っている他は、何もない空間です。
石膏ボードは、ビスの穴をあけると石膏がポロポロと削れて、穴がやや大きくなります。これでは、ビスをしっかりと固定することは難しく、カーテンレールのブラケットの重みは維持できません。
窓の周囲で、木ネジがしっかりと把持される柱をめがけて、ブラケットを固定しましょう。柱のようにネジが効く部位を、下地と呼びます。
下地の探し方
まず、道具がいらない簡単な方法からです。
壁を、人差し指や中指の第二関節でトントンと叩いて、違う場所ごとの音を聞き比べましょう。
木材の下地があるところは叩いた時の音が響かず、やや低い音になります。
他方、下地がないところは、石膏ボードの裏側空間に音が響くので、高い音になります。

ボード裏の下地を探す工具
アパート、マンション住まいの場合、隣や階上の住民に気兼ねして、音を出して下地を探すのはできないこともあります。
そんな場合は、ホームセンターで入手できる、石膏ボードの下地探し針を使うとよいでしょう。
この工具は、先端に細い針が付いています。石膏ボードにこの針を刺し、そこに下地が無ければ貫通して最後まで抵抗なく突き抜けます。下地がある場所は針が下地の柱に突き当たるため、そこから先に進入しません。この違いで、下地の位置が判断できます。
針で壁に穴を開けて、後で目立ったりしない?と思いますよね。とても細い針を使っている上、普通は石膏ボードには仕上げの壁紙が貼ってありますので、針を刺した後の穴はわかりません。
簡単な仕組みですが、効果は絶大ですのでオススメします。
石膏ボードにプスプスと針を刺すのが、どうもイメージできない、大丈夫かな、と思った方は、非接触で下地を調べる電子式の下地センサーを使いましょう。
壁・天井の表面でセンサーを上下左右に滑らせると、下地があるところではLEDが点灯してお知らせしてくれます。
点灯する範囲を一時的にマーキングして、下地の場所を壁の上でわかるようにすればOKです。
使い方はとても簡単です。説明書を読まなくても、どなたでも扱えます。
下地の場所が分かるとしっかりと固定できますので、ぜひ持っておきたい道具です。
取り付ける位置

カーテンレールは、窓枠の左右からそれぞれ、5cm~10cmはみだすよう取り付けましょう。
遮光カーテンや、日差し・隙間風を防ぐ厚いカーテンの場合は特に、窓を完全におおわないと効果がでません。
また、カーテンを左右に引いたとき、窓枠の外に大半のカーテン布が退避できるようにします。そうすると採光が多く取れます。
高さ方向は、カーテンの上からの光もれを減らすため、窓枠の上から5cm~10cm程度離れたところに取り付けるのが一つの目安です。取り付けたいカーテンを実際に窓に当ててみて調整しましょう。
この時、気を付けたいことがあります。カーテンは、乾燥する冬と、湿気の多い夏で長さが変わります。
とくに掃き出し窓と呼ばれる、バルコニー入り口にある窓にカーテンを付ける時、冬は隙間風を防ぐためカーテンの裾は床にぴったり触れるようにしたいですが、カーテン自体は縮んで裾があがってしまいます。

もし、夏にカーテンレールを取り付ける場合は、カーテンフック(アジャスターフック)の調整位置をカーテンがやや上になるところにして、レールの高さ・裾の高さを調整しましょう。
冬になるとカーテンが短くなりますので、アジャスターを下におろして、カーテンを全体的にさげて裾が床につくようにします。
反対に、冬にカーテンレールを取り付ける時は、カーテンフック(アジャスターフック)の調整位置をカーテンが一番下がるところにします。
夏になったらカーテンが伸びますので、アジャスターを上にあげて、カーテンを全体的に引き上げます。
まとめ
カーテンレールのブラケットが、下地にしっかりと留めてさえあれば、他に作業上の注意はありません。
カーテンが窓をまんべんなく覆って、レールが水平になるように、誰かに離れたところから見てもらいながら調整すると良いでしょう。
せひ、カーテンレールの取り付けにチャレンジしてみてください。