ディアウォールのカット長さは、もとの寸法からマイナス43mm(4.3cm)やマイナス40mm(4cm)ぐらいにします。木材は使い方説明書の推奨よりやや大きめで良いです。その方がしっかりと突っ張り固定ができます。
目次
解説
賃貸でも、狭いワンルームや1Kでも、一人暮らしの作業で2×4材の収納を作れる!
突っ張るだけなので2×4材や1×4材の柱を立てても賃貸に傷をつけない、
という機能的なDIY部品「ディアウォール(diawall)」が人気です。
さまざまな場所に柱を立てられるので、部屋のレイアウトに高さ方向の余裕ができ、収納の幅が広がります。
ただし、部品をつける前、木材カットは何センチにするかは注意点の一つです。
45mmというけれど間違えて40mmになったらダメなのか、マイナス何センチなら良いのか、使い方の説明に寸法の調整幅が書いてない、など、疑問がわきます。
また、木材の長さによっても最適値を変えるテクニックもあまり知られていませんので、そのあたりを詳しく説明します。
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カット長さの推奨値の理由は?
ディアウォールは、上パッド(ばね内蔵)を木材の天井側、下パッドを床側にかぶせて、上パッドを天井に押し付け床側を隅まで移動する、脚立いらずの設置方法が特徴です。
ディアウォールの木材カットの推奨は、何を考慮して決まっているか、
これはまず、取り付けるとき床側を壁まで移動する際(上図の2)に下パッドが干渉しない長さ
次に、突っ張るためのバネが効く長さ、となっています。
ディアウォールの寸法

ディアウォールの上パッドの寸法、下パッドの寸法を見ていきます。


上パッドの押し込み方で寸法が変わります。
突っ張り用のバネに力をかけない状態で、上パッドの天井面は木材の先端から約40mmの位置になりました。

突っ張り用のバネに最高に力をかけバネを押し込んだ状態で、上パッドの天井面は木材の先端から約20mmの位置になりました。約20mmの動作範囲があります。
下パッドの寸法を説明します。

スペーサがない状態で、下パッドの床面は木材の先端から約13mmの位置になりました。


スペーサを二枚いれた状態で、下パッドの床面は木材の先端から約18mmの位置になりました。スペーサ一枚当たり、約2.5mmとなります。
ディアウォールの調整幅は?
木材長に追加される長さ | 数値 | 状態 |
最大側 | +58 mm (天井側40mm/ 床側18mm) | ・ばねが効いていない状態、突っ張っていない |
最小側 | +33 mm (天井側20mm/ 床側13mm) | ・ばねを完全に押し込んだ状態 ・キツキツすぎ、この状態で取り付けは難しい |
ディアウォールを取り付けて、木材長から増える寸法は+58ミリから+33ミリです。
公称カットサイズのねらいは?
ディアウォールの公称取り付け寸法は木材長に対しマイナス45mmですので、調整範囲の中間ぐらいですね。
ですが、バネが入っている上パッドだけに注目すると、上パッドの動作範囲 約40mm(バネ弱)~約20mm(バネ強)のうち、バネが弱い側の約32mmの位置(=45-13)で使うことを推奨しています。(13mmを引き算しているのは、下パッドの影響を取り除いています)
したがって、公称取り付け位置ではぐらぐらする時もあるため、マイナス43mm(4.3cm)やマイナス40mm(4cm)ぐらいのやや大きめで良いです。
注意したいのは、天井と床を突っ張る高さが1,820mm以上のときに限って大き目にできるという制約です。
元の木材寸法が短いと、最大にバネを押し込んでも木材が床につっかえて入らなくなります。この辺りは後半でやさしく説明します。
もうカットした、直す方法は?
いったん木材をカットしてしまうと、全長を長くする方向に直すには二つの方法があります。
一つ目、
手持ちの木の端材を適当な厚みに加工し、下パッドの中を追加スペーサとして入れる方法です。これはご自分で木材の切断加工ができる方なら簡単です。
次の方法、
いったん今の2×4材を適当な位置でカットして、ジョイント部品でつなぎ直す方法です。つなぎ直すときに、一本目と二本目の間に適度なすき間を空けて全長を調整します。
ディアウォールには、2×4材を連結するためのジョイント部品があります。2×4材の外周を囲むようにビスで固定するので、つなぐ木材同士がぴったりと接触していなくても、ジョイント部品の強度でまっすぐにつなぐことができます。
このジョイント部品だと、今の2×4材を垂直にカットできず失敗しても問題はありません。
木材カットの注意点は?
以下に絵を使って解説します。簡単な話にするため木材だけに限って図解しますが、ディアウォールの上パッド下パッドをつけていても同じ話になります。
木材を立てる際に、木材のうち一つの辺が天井に接して支点となり床側を動かすとき、木材の対角線距離が縦の距離より大きくなります。

床と天井の距離と同じ大きさの木材を使うと仮定した場合、床にひっかかって入らなくなってしまうのです。
あらかじめ、「床と天井の距離」よりも「木材の対角線距離」が小さくなるようカットしたらどうでしょう。

木材を床にひっかけずに立てることができます。
そのかわり天井と木材の間に隙間ができてしまいます。ディアウォールは天井と木材のすき間をバネでふさぐようにしているのです。
木材カットの調整幅は?
具体的な例でみていきましょう。
2×4材を床と天井の間に入れるイメージと、カウンター下のデッドスペースに入れて、子供が出し入れする絵本棚を作るイメージです。


2×4材の長さは以下のように仮定します。
天井取り付け・・・約1,820mm(6フィート)
カウンター下取り付け・・・約910mm(3フィート)
2×4材の広い面を壁に向ける
木材サイズごとに、2×4材の広い面を壁にむけたとき、対角線距離と元の長さの違いを表にしました。木材サイズが910mmの時は、1,820mmの時よりマイナス1mm、つまり多くカットしないと入らないのです。
木材サイズ | 対角線距離 | 木材長との差 (小数点切り上げ) |
---|---|---|
1,820 | 1855.2 | マイナス36 mm |
910 | 946.5 | マイナス37 mm |
455 | 493.7 | マイナス39 mm |
これは上パッドのサイズを20mmとし、バネを一番押し込んだ状態で計算しています。
ですが、上パッドのバネはななめでは押し込みにくく、完全に押し込む力がない場合は、対角線の長さが大きめになるので、カットも大きめにしておかないと入らないです。

2×4材のせまい面を壁に向ける
角材のせまい面を壁に向けて取り付ける場合は、対角線長さも大きくなりますので、もっと厳しくなります。
木材サイズが910mmの時は、1,820mmの時よりマイナス3mm多めにカットが必要です。
木材大きさ | 対角線距離 | 木材長との差 (小数点切り上げ) |
---|---|---|
1,820 | 1856.6 | マイナス37 mm |
910 | 949.1 | マイナス40 mm |
455 | 498.8 | マイナス44 mm |
角材のせまい面を、壁に向けて取り付ける場合は、バネを一番押し込んだ状態にする一人作業が難しく、トラブルも起こりやすいです。
以下に絵で説明しますが、上パッドが傾いて、途中で木材が押し込めなくなります。

おすすめの木材カット寸法は?
2×4の広い面を壁面に向ける場合
木材大きさ | 計算上の木材長との差 | おすすめカット長さ |
---|---|---|
1,820 | マイナス36mm | マイナス43mm |
910 | マイナス37mm | マイナス45mm |
455 | マイナス39mm | マイナス47mm |
力が強い方なら、さらに5mm詰めて、マイナス38mmやマイナス40mmでも対角線長さとはクリアランスが取れますので、立てられます。
知っておいてほしいのは、木材の長さがもともと短い場合、カット長さを減らすと入らないリスクが高まる、ということです。
2×4の狭い面を壁面に向ける場合
次に、2×4材の狭い面を壁に向けて設置する場合です。こちらは、上パッドが傾いて押し込めないことがあるので、カット長さを短くする調整幅はないです。
上パッドが傾かないよう、2×4材とパッドのすきまを厚紙で埋めておく方法もありますので、現場で試してみてください。
木材大きさ | 計算上の木材長との差 | おすすめカット長さ |
---|---|---|
1,820 | マイナス37mm | マイナス45mm |
910 | マイナス40mm | マイナス47mm |
455 | マイナス44mm | マイナス51mm |
木材カットを間違えたときの対処法は?
下パッドの下に、硬い板を差し込みましょう。一回柱を立てた後は、上パッドのばねを押し込むのが簡単になります。隙間の大きさを見定めて、板をいれます。
他にもメリットがあり、床がふかふかの場合などでは、ディアウォールが突っ張る力を大きい板で分散させると跡が付きにくくなります。
まとめ
ディアウォールの推奨する2×4材のカット長 マイナス45mmは、木材のに設置場所よらずほとんどの場合に適用できますが、突っ張る力緩くなりがちです。
木材が大きい場合は、カット長も小さめにしてつっぱりを効かせるほうがよいでしょう。