ソーラーパネルで鉛蓄電池(カーバッテリー)を充電する太陽光発電システムで、バッテリーを増設するときは、バッテリー間をつなぐ電線を太くすること、接続の際に新旧バッテリーの電圧を近づけることに気を付けます。

小型のソーラーパネルを使い、独立した太陽光発電システムを自作しています。日商条件が想定より良い時期はバッテリーの容量がすぐ満タンになり容量不足のため、バッテリー容量をアップするために鉛蓄電池を増設します

バッテリー増設前の接続図

増設前は、一台の鉛蓄電池をチャージコントローラの下流に繋ぎ、鉛蓄電池とDC-ACインバータを並列に接続しています。

晴れの昼間は、ソーラーパネルで発電した電気は鉛蓄電池に充電されます。

発電しながら、同時にAC100Vを使用する時は、使う電力の大きさにより鉛蓄電池は充電側か放電側になります。

発電しない夜間は、鉛蓄電池は放電します。

増設する鉛蓄電池の選び方は?

従来使っている手前の鉛蓄電池とは別のメーカで、自家用車で使い込んだ中古バッテリーを適用します。

従来の蓄電池の容量は46Ah(5時間率)で、増設する蓄電池は36Ahですが、中古の為、実際の容量を合わせることは不可能です。

従来は、鉛蓄電池にはチャージコントローラとDC-ACインバータの配線をつないでいますが、鉛蓄電池を並列に繋ぐため、更に最初の鉛蓄電池のプラス・マイナス端子から分岐します。

注意点は?

鉛蓄電池を並列につなぐ場合、プラス・マイナス端子間にある電気抵抗は、ほぼ電池の内部抵抗と電線の抵抗のみでかなり小さくなります。

そのため充電時には予期せぬ大電流が流れる恐れがあり、電線が発熱する危険があります。

そこで、今回の用途と同じく鉛蓄電池同士を並列に接続する目的で作られた、車のバッテリー上がりで使うブースターケーブルを活用します。

電圧12Vの鉛蓄電池に使用できる、最大100Aまで対応できるブースターケーブルを、並列接続ケーブルに加工しなおします。

鉛蓄電池のプラス・マイナス端子に取り付けるバッテリーターミナルにしっかりカシメられるよう、説明書通りに約10mmの被覆を剥き、ターミナルに嵌合させます。

逆端のバッテリーターミナルは、元々チャージコントローラとDC-ACインバータと接続されていますが、この並列接続用の電線も接続します。

配線方法は?

新たな配線は次の絵のようになります。

初めて鉛蓄電池同士を接続する時、両方の鉛蓄電池に電圧差があると、バッテリーターミナルを接続する際にスパーク(火花放電)が生じて大変危険です。

事前に増設側の鉛蓄電池を、太陽光発電を用いて充電するなどして、それぞれの蓄電池の電圧をおおよそ近づけておくと、並列接続を行う時にスパークが生じるのを防ぐことができます。

そして、鉛蓄電池にバッテリーターミナルを接続する際は、必ずソーラーパネルの発電を切ります。

同じ理由で、ソーラーパネルが発電しているとチャージコントローラの端子間電圧が上がり、蓄電池の電圧と差が生じてスパークを生じるためです。

完成した接続写真を示します。スパークが生じないよう電圧を合わせて並列接続し、最初の端子電圧は12.82Vでした。

晴れの昼間に充電が進んできますと、13Vを越えてきます。

AC100Vを使用して放電をさせますと、12Vを切ってきます。

一旦つないでしまうと、元々の鉛蓄電池の容量差はもう見えません。もし電圧の差が生じた時はすぐに、双方の鉛蓄電池間で電気をやり取りしますので、両者は同じ電圧になります。

皆さんもスパークにはくれぐれもも気を付けて、鉛蓄電池の増設にトライしてみてください。