慎重に大事に扱ってきたフローリングに、不注意で物を落としたときは、サッと隠してなかったことに!そんな気持ちになりますね。
この他の原因でも、フローリングに傷が付いてしまうことはよくあります。
とはいえ、一旦ついてしまったへこみは、そのままにしておいても変わりません。
元通りにはならないまでも、普段の生活で気にならないようにする補修方法を説明します。
水を含ませて補修
まず、ティッシュペーパーやボロ布に水を含ませて、傷のところに染み込ませます。
家造りで使われる木材は乾燥させてあり、水分量が低く保たれています。そこに水を染み込ませると、木の組織に入り込み少し膨張するのです。
ひっかき傷や線傷、家具による引きずり傷など浅い傷であれば、水で木の組織を膨らませるだけで、傷隠しとして効果があります。
ただし、傷の具合によっては表面のワックスがはがれていて、いろいろと染み込みやすくなります。フローリングワックスの塗り直しをするまでは、気をつけてましょう。
ウッドパテで補修
大きなえぐれ傷や深い凹みは、水で膨張させて少し凹みが浅くなっても、踏んだりワゴンが通ったりするとまたへこんでしまいます。
このような傷は、フローリング用パテや木工パテで埋めてあげます。
木工パテとは


木工パテは、元々は木材の節や割れ目などのリペアをするための木工部材です。
塗るときはやわらかく、乾燥して固まると釘やビスを打ってもよい高い強度が特徴です。
普通の合板へ空いた穴へ木工パテを塗る方法を、順番に説明します。まずは、穴にパテを充てんします。


木工パテは乾燥することで固まりますので、厚く塗るとなかなか乾燥しません。深い穴の時でも一度に厚く塗らず、少しずつ塗る代わりに回数を増やして穴を埋めるようにします。


徐々に穴が埋まってきたら、表面を押しながら平らに伸ばして、足りないところにはパテを追加します。はみ出した部分は固まる前に削り取って、できあがりです。
フローリングのパテ補修


フローリングの場合、後から釘を打つことはないので強度の心配はしませんが、パテで汚れたり、塗った部分が盛り上がってしまっては台無しです。
まず、マスキングテープで傷の周囲を囲います。


マスキングした中へ、木工パテを充てんし、平らになるように十分に押し込みます。
固まる前にマスキングテープをはがし、パテの周辺をなだらかに調整すればできあがりです。
木工パテには、無垢材に向いた白っぽいタモ色と、赤身の木に向いた茶色っぽいラワン色がありますので、フローリング色に合わせましょう。
傷が深いときは、厚く塗るために塗布回数が増えてしまいます。まずは水を染み込ませて、少しでも傷の深さが浅くなるようにしてからパテ塗りをスタートしましょう。
隙間や継ぎ目をふさぎたいとき
板の間の細いすき間や継ぎ目を補修したいときは、水を含ませても狭くなりませんので、パテを塗ることになります。
ただし、塗る前に気を付けてほしいことがあります。
静かに置かれているだけのフローリングの板も、実は温度や湿度でわずかに寸法が変わっています。
特に、無垢材のフローリング板は空気中の湿度を調整する働きがあります。周囲の湿度が高ければ湿気を吸って膨らみ、湿度が低ければ湿気を吐き出して縮みます。
無垢材のフローリングでは、木材の膨張収縮を見込んで、あらかじめ隙間に余裕を持って施工されています。隙間を埋めてしまうと、湿度の高い季節や熱い時期に膨張した際、どこかに収まらないところができてしまいます。
ですので、あまり隙間を気にせずそのままにしておく方が、トラブルは少ないです。
それでも、ホコリが溜まったり、小物が落ちてしまうような隙間になってしまっては、埋めておかないと都合が悪いでしょう。
コメントを書く