
自分や家族が、階段を上るときに壁に手をつきながら進んでいるとき、手すりがあれば便利なのに、と思いますね。
一般家庭の階段に手すりをつけることが必須になったのは、実は2000年以降。階段に手すりがないお宅は多いです。
高齢者にとっては、ちょうどよい高さに手すりがあると安心。でも、手すりを付けるためだけに業者を呼ぶのはやや大げさです。手すり自体は個人でも通販で購入できますし。
階段の手すりを自分で取り付けるには、どこに注意すればよいのでしょうか。
安定した壁に取り付ける
手すりを買うと、施工説明書がついてきます。そこには、取り付けは柱や間柱、強度が高い壁に対して行いましょう、と書いてあるでしょう。
確かに、壁が安定していないと、取り付けた手すりに体重をかけることはできません。
でも、壁の裏の柱?間柱?いったいなんのこと?
柱、間柱とは、壁を支えるために家の構造材と接続された、壁裏の木材です。このように壁裏に配置された頑丈な柱を、まとめて下地と呼ぶことが多いです。
この木材は、大体約45cm間隔、または約30cm間隔であるはずです。手すりを固定するビスは、これら壁裏の木材まで到達させてあげましょう。
階段の手すりは、階段の傾斜に沿って斜めにとりつけますので、単に手すりのホルダを45cm間隔や60cmの間隔にすればよい訳ではなく、木材の場所がわかっていないと難しいです。
下地の探し方
壁裏の木材の位置を調べる方法を説明します。
まず、道具がいらない方法で、音で判断するやり方があります。
壁を固いもので軽くたたきます。手の甲や、指の関節でたたくとよいです。
場所を移しながらトントントン・・・と叩いていると、音が違うところが出てきます。
木材の下地があるところは、叩いた時の音が響かず、やや低い音になります。
他方、下地がないところは、石膏ボードの板裏に音が響くので、軽い、高い音になります。

ボード裏の下地を探す工具
一戸建てで階段が家の外壁に面している場合、外壁の壁紙裏には断熱材が入っています。
壁をトントンとたたいた音は、断熱材で消されてしまうので、壁裏の下地が探せないことがあります。
そんな場合は、ホームセンターで入手できる、石膏ボードの下地探し針を使うとよいでしょう。
細い針を使う理由は、石膏ボードには軽く刺さるのに、下地の木材には刺さらないこと。
よって、下地があるところはほかのところよりも深く針が入らず、下地の場所が判明します。
針の太さは安全ピン程度の細さ、壁紙に刺しても穴は目立ちません。
針の先で下地の木材を触れる安心感は、ほかの方法にはありません。必ず頼りになる工具ですよ。
とはいえ、クロスに針穴を開けるのはいやだな、とお考えの方は、針ではなく、電子式で障害物を判定する下地センサーを使いましょう。
この方法では、下地自体には非接触ですが、機器のセンサーが下地とそれ以外の壁裏空間の違いを検知します。
使い方ですが、壁の表面でセンサーを上下左右に滑らせると、下地があるところではLEDが点灯します。
点灯しはじめから点灯が終わるまでの、下地がある範囲をマーキングして下地を特定します。
このセンサーならば壁紙を傷つける恐れはありません。更には今回に限らず、単に伸縮ポールを壁に取り付けたいときでも、下地の場所が分かるとしっかりと固定できますので、ぜひ持っておきたい道具です。