回答:
地震で外れないよう、壁側金具と受け金具は16mmの深さではめあわされている。ただし横揺れには弱い。地震に備えるには、防振ジェルを挟むなど補助的な道具を使う。
解説
壁美人が地震でも大丈夫か
賃貸でも、狭いワンルームや1Kでも、一人暮らしの作業で壁付け収納を作れる!
ホッチキスで固定するので、壁に付けた傷がわからず原状回復も問題ない、
という触れ込みのDIY部品「壁美人」が好評です。
壁にほとんど傷をつけず、色々なものを壁付けにしてしまう便利なグッズです。
しかし、ホッチキスの針の力で地震の時は大丈夫かなと思う方もいることでしょう。
壁美人の金具の工夫
壁側金具と受け金具は、互いに16mmの深さではめあわされています。
地震の縦揺れの影響で16mmを超えて動かなければ、嵌合部が外れることはありません。
地震が起きた時は、縦揺れは初めに感じて、その後大きな横揺れがきます。
残念ながら、壁側金具と受け側金具には側面板がなくスースーです。金属金具同士は摩擦も小さいため、横揺れの大きさによっては耐えられません。
そこで、壁側金具と受け金具の隙間に防振ゲルを挟み込み、動きを制約する方法があります。
家電の転倒防止のために100均でも買うことが出来る、ソフトジェルを挟みましょう。
ホッチキスの針は抜けてしまう?
地震の揺れでホッチキスの針は抜けてしまわないのか?
メーカー調べでは、ホッチキスの針を石膏ボードに刺すと、下向きには約3.7キロの保持力、引き抜き方向に約1キロの保持力があり、針の数を増やして静止荷重への耐力をつけます。
もし地震のような揺れで動荷重が発生した場合、針は耐えられるのか?
これはケースバイケースですので、メーカーも保証することは容易ではありません。ユーザー側で動荷重にしない工夫が必要です。
荷物の載せ方にも注意が必要で、重いものを下に置いてあげましょう。
引き抜き力は単純な合計は可能?
ホッチキスの針は一本当たり約1キロの保持力があると述べました。
下の写真のように、8箇所に刺せば、果たして8キロになるのでしょうか、といえば答えはノーです。
ホッチキスをフィルムに均一に打ったと思っても、実際にはフィルムへの当たり方にはバラつきができます。
引き抜き方向の力でフィルムが浮こうとしたとき、近接した一部のホッチキスの針に当たり力が集中します。

(壁美人のイメージビデオより)
上の例でいれば、ホッチキスの針の一番上の列に力が集中しやすくなります。
また、おのおのの針の引き抜き力が均等ではないので、結局、引き抜き力が大きい針に集中して力がかかります。
ですので8本の針があっても、8倍の力には耐えられません。
余裕をもって壁側金具を選ぶべきでしょう。