さびたネジが外れない時、手持ちの工具ではムリなので、頭が外に出ているネジ(ナベねじやトラスねじ)であれば、ネジ頭をつかみ動かせる特殊ペンチ・ネジザウルスで外します。頭がつかめないときは、なめたネジはずしビットで動かして外します。

解説
木ネジに限りませんが、年月が経ったネジを取り外したいとき、ネジ頭の錆(サビ)・材料との固着などにより取れないことがあります。
そして、外そうとがんばった果てに、ネジ山をなめる、といった失敗が起こります。
特にネジ頭は、ネジ胴と比較すると強度が弱い仕様になっているので、簡単になめてしまいます。
木ねじは熱処理されていないため、あまり堅い木材に使うと折れたり、ネジ山をなめてしまう場合があります。
うまい外し方はあるのでしょうか。
ねじ山外周をつかんで外す
ネジが木材の上に出ているタイプ、ナベねじやトラスねじでしたら、つかむ力の強い特殊工具でネジ頭の外周をつかみ、外すことができます。
ロッキングプライヤー


ロッキングプライヤー(バイスプライヤー)は、その名の通り、バイス(=万力)として強力につかむ目的の工具です。
しかし、いっぺんつかんでしまえば、この工具の形ならばネジを回すのは簡単です。
頭の外周をがっちりとつかめるなら、ネジの溝にドライバーを突っ込んでこわごわ回すよりも、壊すかもと恐れることはありません。
力を掛けて、逆回転させて抜きます。
ロッキングプライヤーは、
木工DIYを一人でされるかたなら、釘打ちののときに木材をおさえておくのに使ったり、
家庭用自転車の修理のときに錆びたボルトを回すのに使ったりと、
いろいろと応用範囲があります。
釘打ちの反動で板が動いてしまい、それで失敗したことがある方は、この固定具を持っておくと良いですよ。
ネジザウルス


ネジザウルスは、通常工具とは異なり、つかむ先端部に摩擦力を高める凹凸を増やした工夫が盛り込まれています。
ロッキングプライヤーとは異なり、ネジをつかむ力は作業者の握力次第となります。
とはいっても、先端には回転方向と直角になるよう並べた縦溝があり、ネジの頭をつかんだ後にすべらないので作業がやりやすいです。
普通のペンチでできない作業は、逆にネジザウルスが得意なことが多いので、一本持っておくと便利です。
同じ思想を持った工具が、後発メーカーからも出てきていますが、先駆者であるネジザウルスは実績と安心感が違います。
ねじ山が外に出ていない


コーススレッドのように、木材にネジ頭が埋め込まれるほど潜っている場合は困りますね。
家にある手持ちの工具でジタバタするより、今後も使うネジはずしビットをすぐ入手する方が、DIYの作業にすぐ戻れることでしょう。
兼子製作所のANEX なめたネジはずしビットで、ネジは壊れますがサクッと抜きましょう。
なめたネジはずしビットは、通常ドリルビットのネジ山の切り方と逆になっており、逆回転で先に進む機構です。
このビットを逆回転でなめたネジに差し込むと、ネジにビットが噛みつくとともにネジに逆回転が伝わり、回せる仕組みです。
そんなに高いものではなく、ネジトラブルは年月が経つほど増えますので、ひとつ持っておくと安心です。