裁縫上手がはがれるトラブルは、貼り合わせる生地の片側にしか塗布していない場合や、貼り合わせた後の加熱が足りない場合に起こりやすいです。両方の生地へ塗布する、加熱をしっかり行う、この二点に気を付けてやり直しましょう。また、放置時間が足りない時もはがれるので、接着力が高まるまで待ちましょう。

解説
ボンドで有名なコニシが発売している、布用接着剤・裁縫上手が口コミで広まっています。
ズボンの裾上げでも体操服のゼッケン付けでも、ミシンどころか縫うこともなくできる簡単さ。留めたいところを裁縫上手とアイロンで接着するだけです。
これなら、忙しいあなたも保育園、幼稚園の入園準備がささっと進みます。弁当袋や体操服袋などの通園グッズも、イメージどおりにかわいく作れます。
普段通りに洗っても取れにくいと、強度をうたっていますが、接着した後に剥がれることが実際には起こります。どうすれば良いのでしょう。
接着の仕組みは?
裁縫上手は、木工用ボンドとは違う固まり方をします。
接着する樹脂は、合成ゴム系ですが、水に溶かしてあります。この水分が抜ける時に、合成ゴム同士も化学反応を起こして、徐々に固まります。
ゴム系接着剤なのには、布ならではの理由があります。布は全般的に様々な糸を編んでできていますので、引っ張れば多少は伸びます。裁縫上手も、衣類の伸びに合わせるように弾力を持っているのです。
しっかり接着するコツは?
さて、塗布した後から水分が抜けて固まり始めますが、この時ゴム成分が生地にしっかりと絡まってくれないといけません。紙のりや木工用ボンドのように片側しか塗布しないと、縫っていない生地面とはくっつかず剥がれることがあります。
ゴムは有機溶剤などを接触させると、ゴム結合の網目に溶剤が浸入し(膨潤)、結合が弱くなります。ただし接着剤として使うため、耐溶剤性を高めるために構造に工夫があり、一度高い温度でゴム同士の化学結合を促進させます。
つまり、メーカーが示す使い方で、アイロンで加圧しつつ高温に一定時間さらすのが結合を強くする作業です。加圧・加熱をしっかりやった後は、接着材自体は簡単に剥がれることはないです。
塗布しただけで、加熱していないならば、ゴム同士の接着があまり進みませんので、剥がれることもあるでしょう。ただし、使う布への染み込み具合や、接着剤の塗布量などはケースバイケースですので、加熱なしの場合が一概にダメとも言えません。
洗濯するとはがれるのはなぜ?
一方、洗う時にドラムが起こす大きい力に対して、常に接着が頑張れるわけではありません。勢いよく水とぶつかったり、脱水で強い引っ張りを受けたりすると、どうしても接続が弱いところから切れます。
洗ったときの力で切れるのは糸のほうだったり、ゴムのほうだったりと様々ですが、常に万能ではないです。