日常の中で、階段にスロープが付いていたら楽なのに、と思うときは、自転車や運搬用一輪車の上げ下ろしが一例としてあげられます。
人が乗った車いすを載せるといった安全面に気を使う用途でなければ、スロープを手作りしてみるのも一つの方法です。
階段に置くスロープを、すのこで作る方法を説明します。
なお、人が押すバイクや、車いすを介助者が押して上るように、一時的に100キロを超えるような大きな荷重がかかる用途では、すのこを使うのはおやめください。しっかりとした金属板のスロープを使いましょう。
ポイント
すのこスロープを作るときのポイントは二つあります。
板の隙間をなくす
登り降りでずれないように安定させる
このポイントをおさえれば、小型犬がソファーに登るためのスロープや、うさぎやハムスターなどがケージに登るためのスロープなど、ペット向けのスロープも作ることができます。
板の隙間をなくす
売られているすのこは通常、収納に使うので、空気の流れをさえぎらないよう、板と板にすきまがあります。
スロープにするときには、すきまがあると危ないので、すのこを分解して板を整列させ、ぴったりとくっつけます。
板を並べた後、裏面からタッカーを打って連結するとよいでしょう。
すのこ板は薄く長いので、スロープにするにはたわみやすいのも問題です。
もし、階段の踏み板の奥行きが長くスロープが途中でたわむときは、すのこ板を連結したあと、両端の板には長手方向にたわみ防止ので角材を打ち付けましょう。
そして、たわみ防止の角材と連結する横向きの角材をビスで止めましょう。
ちょうど、アルファベットのH字になるようにします。
安定させる
安定させるには、スロープの上端、下端がそれぞれ、最上段の床面と最下段の床にぴったりとついて、重さを支えてくれると良いです。
しかし、階段の最上段まですのこを載せると、かえって段差ができてしまいます。そこで、階段の最上段には載せず、一段下の階段でスロープを支えるよう、脚をつけます。
「階段の踏み板奥行き」「階段の蹴上げ高さ」と寸法が合った、すのこの幅と同じ横幅の板を互いに直角にビスで組み合わせ、階段のステップ部に置くような形(脚板)とし、それをスロープとはビスで固定します。
この脚は、スロープ板が階段の下方に滑り落ちるトラブルを防止します。脚がないとき、スロープは階段の直角折れ曲がり部だけに接する形です。これでは、すのことの摩擦が足りず、車輪を載せれば容易にずれてしまいます。
そこで、ある程度の広さを持った脚板を階段の踏み板にのせて、摩擦を稼ぎます。踏み板と脚板の間に、滑り止めのゴムシートなどを挟むのも効果的です。
表面の処理
すのこの板は、表面がすべりやすくできています。これはスロープには向いていません。
すべり止めの処理として、ざらざらしたもの貼ると良いです。たとえば、紙やすり(サンドペーパー)です。紙やすりで板の表面を直に荒らしてあげてもよいです。
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