開き戸を取り外し、①カーテンレール、②スライドレールなど、引き戸の吊り部品を取り付けて開閉できるように変えます。

解説
当初は気に入って手に入れた食器棚も、使い込んでいくと少し不満点も出てきますね。
置き場所の関係で、扉を開くと邪魔になったり、扉が次第に傾いてきたりといった、買ったときのお店で見ていたときには思いつかない問題もでてきます。
広さ、高さ、使い勝手がわかった段階でリメイクする方もいます。

その中には、食器棚の扉をスライドできる引き戸にするリメイクがあります。
扉を開けた時に食器を取り出しやすいですし、もしも地震で揺れた時に、食器が落ちてくることを防げます。
とはいえ、急に引き違い窓のような車輪付きの引き戸にするのは難しいですよね。食器棚に引き戸を付けるにはどうすれば良いのでしょうか。
カーテンレールを使う

カーテンレールならば、簡単に、安く引き戸にリメイクできます。
カーテンレールの断面の形は、長方形の外周から一部を取り除いた、アルファベットのCのような形をしています。
そしてこのC形状の中に、ランナーと呼ばれる白い吊り部品が収納されています。
摩擦の少ない樹脂で作られていて、レールの内側とは面で接しています。ここに、元の扉を吊るしましょう。
元の扉の端面にフックをねじ込み、フックのひっかける部分をランナーに吊ります。カーテンを開くように、扉が左右に開きます。
元の扉ではなく、新たに合板や集成材を使って扉を作ってもよいでしょう。
ただし、厚みがある集成材をまともに吊るすと、重みでカーテンレールの動きが悪くなります。
そこで、軽量な角材で長方形の枠を作って、ごく薄い板を貼るほうが軽くできます。
しかし、見栄えを重視して木板をそのまま使いたい場合や、人の出入りに使う大型の引き戸を吊りたい場合は、以下のスライドレールの使用を検討した方が良いでしょう。
スライドレールを使う

スライドレールは、引き出しの動きを良くする目的の金物です。レール内部にベアリングが使われています。
ベアリングの効果で、車輪を使う引き戸レールと同じスムースな動きが得られます。耐荷重の数値も仕様に表示されていますので、それを守れば安心です。
スライドレールは、基本的に引き出しの側面に取り付けることを前提とした構造です。カーテンレールのように、引き戸の端面に取り付けて動かすのは得意ではありません。
そのため、スライドレールの金物は、引き戸のフラット面に取り付けます。組み合わさった反対側の金物は、食器棚の天板や棚の端面に取り付けましょう。
スライドレールを使う引き戸は、引き戸が食器棚に沿ってぴたっととりつき、ぷらぷら揺れないので見栄えが良くなります。
注意点
引き戸に変えると、開き戸のように食器棚の幅全体を開口部にするのは難しいです。
どうしても、最大に開いても引き戸の一部が食器棚にかかってしまいます。
あらかじめ、出し入れの使い勝手を頭の中で想像して、リメイクするかどうかは決めてください。