
大きい液晶テレビにつきもののテレビ台を選ぶとき、みなさんどうしていますか。
ニトリや無印、IKEAで探せば好みの製品が選べますが、一人暮らしの方や、夫婦二人だけの賃貸暮らしで、できるだけシンプルな暮らしを目指したい方は、自作してみるのはいかがでしょう。
一番シンプルには、テレビを載せる台を選んで置く、それだけですから。
でも、テレビ台を手作りしてみようと思うとき、テレビを載せる板材は何を選べばよいのか心配ですね。
板材は、薄すぎてもたわみますし、厚すぎても重くなり、一歩間違えば壊れて家庭内事故につながります。
そこで、板材の選び方を説明します。
板材のたわみを予測する

テレビは重量があるため、どのくらいたわみが生じるか、事前に知っておきたいですね。
このたわみは。構造計算で事前に求めることができます。
計算を簡単にするため、典型例として20kgのテレビが板の中央に載ったとして、20kgが掛かるときの試算にします。
なお、実際はテレビの重さが中央の一点に掛かることはありませんので、計算例は最悪値と思っていただければ良いです。

板材の材料として便利な、パイン集成材とスギ合板、SPF材で、板材の幅と厚みを変数として、目安となるたわみを試算しました。
パイン集成材
明るい色合いで、見た目もきれいなパイン集成材はどうでしょうか。
次の表は、奥行450mmの天板の計算結果です。
奥行450mm | 天板の支点間の距離 | ||
天板の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 1.6mm | 5.8mm | 14.1mm |
18mm | 0.5mm | 1.7mm | 4.3mm |
24mm | 0.2mm | 0.7mm | 1.9mm |
天板が土台に掛かる位置を支点とした場合、支点間の距離が広くなると、たわみに弱くなりますね。
でも、天板を厚くすると強度が高まり、たわみ量もどんどん減っていきます。
つぎに、奥行600mmの天板の場合の試算です。
奥行600mm | 天板の支点間の距離 | ||
天板の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 1.2mm | 4.4mm | 10.9mm |
18mm | 0.3mm | 1.3mm | 3.4mm |
24mm | 0.1mm | 0.6mm | 1.5mm |
奥行きが大きい分、天板の強度も高まります。たわみは減りました。
だいたいの目安として、厚みが18mm以上で土台の間隔は600mm以下にするのがよさそうです。
スギ合板(針葉樹合板)
自然の木目が残り、飾り気のないシンプルさが特徴の杉合板(針葉樹合板)ではどうでしょう。
次の表が奥行450mmの場合の試算です。
奥行450mm | 天板の支点間の距離 | ||
天板の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 4mm | 14.1mm | 34.1mm |
18mm | 1.2mm | 4.3mm | 10.6mm |
24mm | 0.5mm | 1.8mm | 4.6mm |
スギ合板は、たわみが大きいので、厚みを稼がないと厳しいですね。
載せたテレビがたわみで傾いてしまうため、土台の間隔を狭めて、板の厚みも大きくとるほうがよいでしょう。
次の表は、奥行を600mmに増やした天板の試算です。
奥行600mm | 天板の支点間の距離 | ||
天板の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 3.1mm | 10.8mm | 26.4mm |
18mm | 0.9mm | 3.3mm | 8.3mm |
24mm | 0.4mm | 1.4mm | 3.7mm |
やはり、厚みは必要ですね。
だいたいの目安として、厚みが24mm以上で土台の間隔は600mm以下にすると、安心して使えそうです。
SPF材
加工しやすく入手性もよい、SPF材でも計算してみました。
SPF材は主に、2×4材など決まった規格モノに使われています。
天板の支点間の距離 | ||||
厚み×奥行 | 600mm | 900mm | 1200mm | 1820mm |
1×4 (19x89mm) | 1.6 mm | 5.6 mm | 13.5 mm | 47.9 mm |
2×4 (38x89mm) | 0.2 mm | 0.7 mm | 1.7 mm | 6.2 mm |
2×8 (38x184mm) | 0.1 mm | 0.3 mm | 0.8 mm | 3.2 mm |
さすがに、2×4材のように厚みが38mmもあると、たわみにも強くなりますね。
この強度を利用し、担架のようにSPF材を二本使い、その間に天板を渡すようにすると、もっと強度の取れるテレビ台になるはずです。
まとめ
シンプルに、テレビを載せる台をどう決めるかの視点で、天板の強度を試算して説明しました。
どのくらいの厚みなら持つのか、ホームセンターで板をながめていてもなかなかわかりませんが、強度の目安として活用していただけるとうれしいです。