液晶テレビはテレビ台に乗せていますか。大型液晶テレビに変えても、テレビ台はそのまま使ったりする人もいるのではと思います。新しいものが欲しくなれば、ニトリやIKEAや無印で最新のものが選べますが、おしゃれさで収納もいっぱいあって、と考えていくと、意外とコストがかかってしまうのが難点です。
一人暮らしの方や、夫婦二人だけの賃貸暮らしで、できるだけシンプルな暮らしを目指したい方は、自作してみるのはいかがでしょう。
市販品のテレビ台をDIYで真似してみようと考え、テレビを載せる板と、板の両側の縦板のみのシンプルなコの字のテレビ台にするときは、テレビの重みで歪まないように気を付けないといけません。
特に、テレビを載せる板が問題です。板が薄すぎればたわみますし、厚すぎても重くなり、一歩間違えば家庭内事故につながります。板材の選び方が鍵となります。
横板縦板の締結
横板と縦板を直角に締結するには、隅金(すみがね)、棚受け等の金具を使います。金具は、テレビを載せた時の重みで締結部が変形するのを妨げ、長期間の使用に耐えるようにします。
板同士を直角に組み合わせることは重要です。もし角度が付いていると、テレビを載せたときに垂直以外の力が発生し、板同士を締結した箇所に力が集中します。その結果、板がたわんだり、ネジが折れ曲がったりする恐れがあります。
金具を推奨するのは、板同士を直角に組み合わせる時に有効なためです。単に、板の端部を丁寧に直角出しをして、そのまま金具なしでビスで貫通固定しても良いのですが、金具を使えばより簡単に直角締結ができます。
縦板の長さの多少の差を吸収するときも、金具をビスで締結する時に調整が可能です。
板材のたわみ量
テレビは重量があるため、どのくらいたわみが生じるか、事前に知っておきたいですね。たわみは計算で求めることが可能です。
板に対し、どのくらいの重いテレビを載せるかはケースバイケースです。計算をシンプルにするため、典型例として20kgのテレビが板の中央に載ったとして、20kgが掛かるときの試算にします。なお、実際はテレビの重さが中央の一点に掛かることはありませんので、計算例は最悪値と思っていただければ良いです。
板材の材料として便利な、パイン集成材とスギ合板(ベニヤ板)、SPF材で、板材の幅と厚みを変数として、たわみを試算してみます。
パイン集成材
奥行450mmの場合の試算です。たわみが1mmのラインで良否を分けてみます。
奥行450mm | 板材の支点間の距離 | ||
板材の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 1.6mm | 5.8mm | 14.1mm |
18mm | 0.5mm | 1.7mm | 4.3mm |
24mm | 0.2mm | 0.7mm | 1.9mm |
板材が縦板に掛かる位置を支点とした場合、支点間の距離が広くなると、たわみに弱くなるため、板材を厚くする必要があることを示しています。
奥行600mmの場合の試算です。たわみが1mmのラインで良否を分けてみます。
奥行600mm | 板材の支点間の距離 | ||
板材の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 1.2mm | 4.4mm | 10.9mm |
18mm | 0.3mm | 1.3mm | 3.4mm |
24mm | 0.1mm | 0.6mm | 1.5mm |
450mmの時とおおむね同じで、板材の幅を狭めるか、厚みを厚くするかのどちらかです。
スギ合板
奥行450mmの場合の試算です。たわみが1mmのラインで良否を分けてみます。
奥行450mm | 板材の支点間の距離 | ||
板材の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 4mm | 14.1mm | 34.1mm |
18mm | 1.2mm | 4.3mm | 10.6mm |
24mm | 0.5mm | 1.8mm | 4.6mm |
スギのベニヤ板はたわみ的に厳しいですね。載せたものが傾いてしまうため、板材の幅を狭め、厚みも大きくとる必要があります。
奥行600mmの場合の試算です。たわみが1mmのラインで良否を分けてみます。
奥行600mm | 板材の支点間の距離 | ||
板材の厚み | 600mm | 900mm | 1200mm |
12mm | 3.1mm | 10.8mm | 26.4mm |
18mm | 0.9mm | 3.3mm | 8.3mm |
24mm | 0.4mm | 1.4mm | 3.7mm |
450mmの時とおおむね同じで、まずは板材の幅は狭めに、厚みも大きく取ります。ベニヤは最大強度で比較すると、集成材にはかないませんので、重量が大きい用途では使えないかもしれません。
SPF材
SPF材は、ツーバイフォーやワンバイフォーなどのサイズが決まった規格モノです。規格値ごとにたわみが最大1mmになるところを限界点として、早見表にしました。
板材の支点間の距離 | ||||
厚み×奥行 | 600mm | 900mm | 1200mm | 1820mm |
1×4 (19x89mm) | 1.6 mm | 5.6 mm | 13.5 mm | 47.9 mm |
2×4 (38x89mm) | 0.2 mm | 0.7 mm | 1.7 mm | 6.2 mm |
2×8 (38x184mm) | 0.1 mm | 0.3 mm | 0.8 mm | 3.2 mm |
上記の表の応用として、横板の奥行を2倍にした場合、たわみ量は単純に2分の1になります。
まとめ
SPF材の2×4は、テレビ台として使うには力不足で、2×8を使うのが良いでしょう。更に広い横板が必要な場合、強度があるパイン集成材の厚いものを使うと良いです。厚みは24mm以上が安全です。
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