キッチン壁への棚の作り方と耐荷重の目安

キッチン壁への棚の作り方と耐荷重の目安

キッチンには、普段使いのグッズをたくさん置いていると思います。手の届くところ、見えるところにあると、料理もはかどります。

ですが、火を使ったり、水回りが近かったりするため、意外とものを置けるところは多くないのが悩みどころです。

こんなときには、空いている壁に棚をつけ、高さ方向にうまく収めてみませんか。KINOBO、ディアウォール、ラブリコで棚を作る方法、気になる耐荷重を説明します。

フックで吊る

キッチンの台上にスペースがなければ、吊るせるものは壁から吊りましょう。

すでにS字フックや吸盤フックを使いこなしている方は多いと思います。フック自体を取り付ける空いたエリアが少なく、置ききれない場合もあります。

吊るスペースを増やすには、KINOBOが便利です。

KINOBOは無垢の木材で突っ張るので、見た目がシンプルでおしゃれですね。

調理器具を引っ掛けるため、フック金物を取り付けるための直径24mm丸棒を準備し、この棒を縦取り付け用の部品で保持することにします。

材料をカットし、バネと丸棒のエンドパーツを取り付ければ出来上がりです。

二本の丸棒に、水平の丸棒を受けるフックを取り付け、また丸棒を下から支えるサポート棒を準備します。丸棒をのこぎりで切るだけの簡単な作業で組み合わせ、出来上がりです。

垂直に突っ張るとき、一本当たりの耐荷重は10kgです。水平に渡した丸棒の耐荷重は、木材自体の強度によります。重いものをかけるとたわむことがあります。

ですが、KINOBOには下から支えるT型ジョイントもあります。別の丸棒で床から支えられます。こうすると耐荷重が増え、ほとんど気にしなくてよくなります。

重たいフライパンは、壁につける吸盤型のフックでは安定せず、かけられなかったのですが、床面から立てたつっかい棒があるため、フライパンや鍋類も吊っても安定します。

奥行きの少ない棚をつける

良く使う食器や、調味料やジャムの瓶、保存食のおしゃれな瓶など、気に入ったグッズを手の届くとこに並べて、気持ちよくキッチンに立ちたいですね。

たくさんの食器や瓶を高さ方向に並べるため、キッチンの台上をあまり占有せずに棚を増やしたいとき、機能的なDIY部品「ディアウォール(diawall)」、または「ラブリコ(labrico)」を使うと簡単です。

ディアウォール、ラブリコは、2×4材を使って手軽に柱を立てることができるグッズです。2×4材の専有面積は、幅38mm、奥行き89mmですので、キッチン上で棚が占める奥行きは10センチもありません。

二本の2×4材の柱に、専用の棚受けを使えば、高さ方向に棚をふやせます。

キッチン台の上は、柱の土台が置かれるだけでほとんど場所をとりませんので、食材や調理道具を広げるのにも困りません。

突っ張る方式なら、吸盤方式のように吸着力が落ちてずれることもなく、安心できますね。

ディアウォールとラブリコ、どちらを使うのか迷いますが、キッチン台の上のようにつっぱる距離が短い時は、棚の数が限られますので、どちらでも安定性は変わりません。

床から天井までつっぱるときは、棚の数が増えて耐荷重を気にしますので、強度が高いラブリコの方をおすすめします。

2×4材の耐荷重

棚に食器やビンをたくさん載せると、棚板が次第にたわんでくることがあります。

はじめから、強度が高くたわみにくいように材料を選びたいものです。

板のたわみ量は、木材の特性値と板の固定構造(支点と荷重位置)で構造計算から求められます。キッチン用に食器棚など自作するときの事例と、必要な板の厚みを計算し、一覧にしました。

食器棚~10kgクラス

食器は、家族が増えて買いそろえたり、贈りもので頂いたり、ショップでひとめぼれして買って帰ったりして、増える一方です。

食器は、陶器やガラスの場合一つ当たりはそこそこの重さがありますが、かさばるため大量に並べることは少ないと思います。皿立てを使ったとしても10kg程度と想定します。

もし、棚にオーブントースターや電子レンジを置くとしても、おおむねこの辺りでしょう。

板に載せる荷重を10kgとし、板の中間にすべての荷重が掛かったと計算上は仮定し、たわみが最大1mmになるところを限界点として、早見表にしました。

単位はmm、赤い背景は使用不可のところです。

木材 板厚 横幅600mm 横幅900mm 横幅1200mm 横幅1820mm
SPF 1×4 (19x89mm) 0.8 2.8 6.9 24.9
2×4 (38x89mm) 0.1 0.3 0.9 3.3
2×8 (38x184mm) 0 0.1 0.4 1.8

2×4材を中心に、厚みが小さいもの、幅が大きいものも参照用に載せました。

上記の表の数値を応用してこれら以外の横幅・板厚を検討するときの参考として、板の奥行を2倍にした場合、たわみ量は単純に2分の1になります。

900mmの横幅で板の両端を固定する場合、10kgの荷重に対し2×4材程度、つまり19mm以上の厚みがあれば、たわみは気にならない程度に抑えられます。

1,200mmの横幅の板でも強度的に使えますが、1×4材では難しいですね。

まとめ

キッチンの壁際や、壁際の上のほうは、何も物を置けないデッドスペースになりがちです。

説明したような棚を後付けするグッズをうまく使って、よく使うものがすぐ手の届くところにある、便利な暮らしになるとよいですね。