板は厚み25mm以上で幅300mmが目安、2×4材では少し厳しい
解説
ディアウォールやラブリコを使って、液晶テレビを壁にぴったりと収めようしている方、
渡す板に薄型テレビを載せたい場合、荷重に合った厚みの板を選んでいますか。
ディスプレイサイズは大型化し、55インチクラスなら合計で20kg以上、65インチクラスなら本体のみで25kg程度に達しています。
テレビを下から支えるスタンド込みなら更に増えるでしょう。
こんな重量のあるものを板に載せる場合、先にたわみがどのくらいになりそうか、知っておけると良いですね。
板や棒のたわみは、木材の特性値と板の固定構造(支点と荷重位置)で構造計算から求まります。
液晶テレビ用に壁面収納をを自作するときの、必要な板の厚みを計算し、一覧にしました。
板の厚みと横幅の関係
計算の前提として、実際の使い方よりも余裕をもたせた設定にしておきましょう。
述べたようにテレビは重量物で、もし落ちてしまったときに赤ちゃんやペットがケガをするかと思うと、慎重にならざるを得ません。
そこで、板に載せる重量を20kg(50インチから60インチ程度)とし、板の中間にすべての重さが掛かった、と計算上は仮定します。
板厚 | 横幅600 mm | 横幅 900mm | 横幅 1,200 mm | 横幅 1,820mm | |
SPF | 1×4 (19x89mm) | 1.6 mm | 5.6 mm | 13.5 mm | 47.9 mm |
2×4 (38x89mm) | 0.2 mm | 0.7 mm | 1.7 mm | 6.2 mm | |
2×8 (38x184mm) | 0.1 mm | 0.3 mm | 0.8 mm | 3.2 mm |
どのくらいたわむと危ないか、は一概に言えないのですが、1mmを超えてくるとヒトの目でも違和感がわかります。
上の表は机上の計算で、荷重がかたよった事例ですので、1mmぐらいを目安にしておけば、実際には安心できます。
上記の表の応用として、板の奥行を2倍にした場合、たわみ量は単純に2分の1になります。
どの厚みがおすすめ?
SPF材の2×4材は、テレビを載せるには力不足で、2×8を使うのが良いでしょう。
更に広い板が必要な場合、強度があるパイン集成材の厚いものを使うと良いです。
また、ランバーコア材と呼ぶ木材もホームセンターで目にすると思います。
ランバーコアは小型の角材の張り合わせで合板になっています。
合板の強度データ仕様はほとんど公開されていないので、計算では強度がわかりません。
重いものを載せたら取れてしまわないか、とテレビ台に使うのはやや不安があります。
なお、スギ合板など元の木目の美しさを生かした合板は、木目の向きによってはたわみやすいので使うときには注意が必要です。
実用上の安全率をかけると、液晶テレビの両側の空間はできるだけ詰め、テレビの両側面に近いところに柱を持ってこないと、板のたわみに対して安心できなそうです。