木工用ボンドで接着したところは、水に触れると接着が弱くなります。でも、薄めること自体は問題なく、紙など水分の染み込みの多い素材であれば、乾かすのに時間がかかるだけで接着はできます。
解説
木工ボンドを薄めてよい?
わたしたちの誰もが子どもの頃、学校の図工の授業などで使ったことがある木工用ボンド、
厚紙同士を張り付けたり、割りばしや木板、木の枝、どんぐりや松ぼっくりなど、いろいろと接着できるイメージです。
そんな木工ボンドですが、向き不向きを知らないと失敗の元になる恐れがあります。
例えば、水に弱いから注意してという話は聞いたことはありますか、確かめたいところですね。
その一方で、木工用ボンドは広い面積へ塗るときは、粘度が高いと作業が大変なので、はじめから水で薄めるとよいという話もあります。これは大丈夫なのでしょうか。
木工用ボンドへの水の悪影響は?
木工用ボンドの中身の話から入りましょう。
木工用接着剤の代名詞となった木工用ボンドをはじめ、一般的には酢酸ビニル系の樹脂が主成分です。
樹脂と水とを混合したのがボンドの正体で、塗布して乾燥すると、酢酸ビニル同士の引力により接着力が出ます。
この仕組みからわかりますように、水が浸入すると再度元の混合状態に戻ろうとしますので、接着が弱くなってしまいます。
メーカーも、水から守りたいところで使わないで、と製品パッケージに書いています。
薄めて使うとどうなるかというと、同じ塗った面積でも酢酸ビニルの含有量が減りますので、最初から接着が弱くなってしまいます。
塗った後、水の分量が減ると接着するメカニズムから、水のしみこみが少ないものでは、薄めると接着できません。木材では厳禁です。
紙、布ではしみこみが多いため接着できますが、接着成分が減っていますので、接着力にあまり期待はしないほうがよいでしょう。
水が入るとどのくらい弱くなる?
木工用ボンドを水に接触させると、どのように弱くなるのでしょうか。興味深い実験データがあります。
建築系の学生さんが卒業研究の一部として調査した、木工用ボンドを使ってガラスやコンクリートを接着し、一定期間水に浸漬した場合の試験結果です。(1)

一番下の行に、ボンドの試験前後の試験値が記載されていますが、接着して6日後に1日中水中に保管し、その後に引っ張りを加えて試験データを取った結果、接着力は3分の1前後に低下しています。
一番上のW25はいわゆるモルタル(コンクリート)で、接着力は変わりません。SBから始まる試験品は、ボンドとセメント、水の混合物です。
通常と書いてある列で見ると、ボンドははじめはコンクリートよりも強く接着できているのに、水があるだけでずいぶんと強度が落ちてしまいます。
湿気の多いところで使わないよう注意しましょう。
参考文献
(1)木工用ボンドを用いたセメント系接着剤についての実験的研究
2006 工学院大学小野里研究室
http://www.ns.kogakuin.ac.jp/~wwd1026/onozato%20laboratory/2006onozato02.pdf