ディアウォールで弱い天井が抜けた!ラブリコでも浮く!突っ張り棒の注意点は?

ディアウォールで弱い天井が抜けた!ラブリコでも浮く!突っ張り棒の注意点は?

天井裏に下地がある部分を除けば、天井の石膏ボードは突っ張りに弱いです。やわらかい天井が抜けないよう、強い下地がある位置を下地探しを使って特定します。下地の位置がわかれば、当て板・当て木を複数の下地に重なるように置いて支えてもらい、下地がない所でも突っ張れます。

(下地センサーで、天井が抜けた失敗は解消しました)

解説

ディアウォールで天井が抜ける?

賃貸でも、狭いワンルームや1Kでも、一人暮らしの作業で2×4材(ツーバイフォー)の収納を作れる!

突っ張り式なので2×4材や1×4材(ワンバイフォー)の柱を立てても賃貸に傷をつけない!

という、機能的なDIY部品「ディアウォール(diawall)」「ラブリコ(labrico)」が口コミで広まっています。

アイデア次第でおしゃれなインテリアを作れる、優れモノです。

ですが、設置する部屋の環境は人によってさまざまですので、どこに柱を立てても大丈夫なわけではありません。

説明書通りに突っ張ったら天井が抜ける、といった失敗が実際にあります。

反対に、人が踏み入れない屋内造作物で突っ張ると、床の方が強度がなく抜けることも。

不幸にも、天井裏がよく見えてしまうぐらいに抜けると、もうこんな製品使ってやるもんか!と恨みたくなります。

とはいえ、材料は揃えてしまったので使わないわけにはいきませんね。

そこまでひどくなく、天井の石膏ボードが持ち上がるレベルの小さい破損で済んでも、心理的には大ダメージです。

次回こそうまくやるために、

これから始める方にはやわらかい天井が抜けた!とならないために、

力を支えられる下地を見つけ、天井を抜かず柱をしっかり固定する方法を説明していきます。

下地とは?

下地とは「表からは隠れて見えないけど、下に広く層が存在する」ことで大事な機能を持つものです

この言葉をよく使う場面は、化粧の下地でしょうか。

同じ意味合いで、住居の塗装や自動車の塗装でも、下地塗りなどと言いますね。

天井の下地の意味は?

アパート・マンションなど建築物における下地とは、表から見えない

天井を支えているコンクリート製や金属製、木製の梁

建物の枠組みとなっている柱や梁

のことです。

上で説明した下地の意味は、広い面積で存在するイメージのものでした。

しかし、建築物の場合の下地は、

ところどころにしか存在しない

下地が、建物の構造や強度をほとんど決めている

という違いがあります。

突っ張り力と下地の強さの関係は?

突っ張るからには支えてくれる相手が必要ですので、強度の大きい下地を相手に突っ張りましょう

例えば、ディアウォールはばねの力で天井を10kg以上の力で突っ張ります。

ラブリコはネジ式なので、更に大きな力が発生します。

このぐらいの力がかかると、下地なしの石膏ボードのみでは太刀打ちできません。

もし、下地がないところを突っ張りたい場合は、間接的に下地に力が伝わるように別部材で補強し、直に天井板を突き上げないよう対処します。

別部材を差し込むと傷や跡も残りにくく、メリットがあります。

下地はどこ?

次に、下地がどこにあるか、基本を説明します

もし、ディアウォールで柱を立てようとする位置が、ワンルームで上のような感じだったとしましょう。

奥には外への出口があり、両側は壁になっています。

左側の天井には、梁(はり)と思われるでっぱりがあります。

梁は一番わかりやすい下地ですね。

下地の位置はわかる?

よくある天井の構造を透視してみましょう

太い梁に対し直角に渡した小梁(こばり※)があり、小梁の裏に電灯配線を引き回してある施工になります(※正確には、野縁という名称です)。

左右の壁の裏には柱があり、壁板を打ち付けてありますが、図は省略します。

ご覧のとおり、天井裏のところどころにしか下地はありません。

下地は太いほど、強度があります。

ではこの部屋では、わかりやすい左側の太い梁の部分に柱を立てれば、天井が抜ける心配はしなくてもよさそうです。

逆に、右側の壁は梁がなく、どこを突っ張るべきでしょうか。

下地を利用した補強方法は?

太い梁はなくても、太い梁としっかりと接合された小梁はありますので、小梁に対して突っ張るのが基本です。

天井裏の小梁のところ以外を突っ張ると、主な力が天井板代わりの石膏ボードにかかり、耐えられず割れた結果、抜けてしまう恐れがあります。

でも、柱を立てたい位置が決まっていて、どうしても下地と下地の間を突っ張りたい!

そういうときは、両側の下地にかかるように別の角材を当て木、または板を当て板として天井に添えて、突っ張るところを補強した上で行います。

なお、梁の位置や間隔は一例であり、きちんとした方法で下地を探し当てて柱を立てることで、突っ張ったときの失敗は防ぐことができます。

壁の中の堅いところを探すのと同じアレね、とピンとくる方は、ここで作業に戻っても大丈夫です。

下地の探し方は?

見えない下地をうまく探す、そのために便利なコツや工具を活用しない手はありません。

下地探しの方法は、大きく分けて三種類あります。

お住いの環境と、コスパを考えて選ぶと良いでしょう。

工具の名称、通称、商品名 価格帯 確実さ メリット デメリット
道具を使わず音で探す 0円 ・タダ (無料) ・音が出る
・慣れが必要
・下地の真ん中を見つけるのが難しい
下地探し針式 ~999円 ・針で下地に触れるので、見えない壁裏でも安心できる ・下地が見つかるまで何回も針を刺すため、他の方法より時間がかかる
下地探し電子式 ~2,999円 ○~◎ 壁に傷をつけない
・下地の検出が正確
・少しコツがいる

道具を使わない方法は?

まず、道具がいらない簡単な方法からです。

天井の石膏ボードを、人差し指や中指の第二関節でトントンと叩いて、違う場所ごとの音を聞き比べましょう。

木材の下地があるところは叩いた時の音が響かず、やや低い音になります。

反対に、下地がないところは、石膏ボードの裏側の屋根裏空間に音が響くので、高い音になります。

実際に何度かやってみないと、下地の位置があっているかどうかは確信できませんので、慣れは必要です。

天井まで手が届かない場合は?

天井に手が届かない場合、なにか脚立などに乗って作業すると良いですが、そういった道具がないときも、やみくもに天井を突っ張るのは避けましょう。

こんな時は、天井に届く長い硬い棒で、天井を叩いてみましょう。先に述べた、指の関節でトントン...と叩くのと同じく、音で判断します。

木でも、金属でも、プラスチックでも、固ければ良いです。

ちなみに、突っ張り棒はゴムが両端についているので音がうまく出ません。

硬い棒がなければ、プラスチックハンガーの角などでも代用できます。

下地を探す工具は?~針式~

アパート、マンション住まいの場合、隣や階上の住民に気兼ねして、音を出して下地を探すのはできないこともあります。

そんな場合は、ホームセンターで入手できる、石膏ボードの下地探し針を使うとよいでしょう。

この工具は、ボールペンのような構造で、先端に細い針が付いています。

壁紙の上から石膏ボードに針を刺し、そこに下地が無ければボードを貫通して、最後まで抵抗なく突き抜けます。

下地がある場所は、針が下地の柱に突き当たるため、そこから先に進入しません。

この押し込みぐあいの違いで、かんたんに下地の位置を特定できます。

でも、針で壁に穴を開けて大丈夫?と思いますよね。

針は細く(外径0.7mm)縫い針程度のサイズですし、普通は石膏ボードには仕上げの壁紙が貼ってありますので、針を刺した後の穴は目立ちません。

かんたんな仕組みですが、下地探しの効果と下地に針が当たる安心感は絶大です

下地探しは、アパートやマンションのように壁裏・天井裏が木造か軽量鉄骨造か分からない部屋でも使える、針とマグネットが両方使えるタイプが安心です。

下地を探す工具は?~電子式~

天井のクロスが凹凸がなく真っ白で、クロスに針穴を開けたらよく見るとわかってしまう

ささいなことで退去時にもめるから避けたいな、

と事情がある方は、非接触で下地を調べる電子式の下地センサーを使いましょう。

壁・天井の表面でセンサーを上下左右に滑らせると、下地があるところではLEDが点灯するので、点灯する範囲をマーキングして下地を特定します。

このセンサーならば、壁紙を傷つける恐れはまったくありません。

針式を使って、もしも退去時に大家に気が付かれ、敷金を取られてしまうことを考えれば、十分元が取れるでしょう。

さらには天井に限らず、単に突っ張り棒を壁に取り付けたいときでも下地の場所が分かるので、しっかりと固定できます。

どっちを選ぶ?

私は、針式・電子式ともに持っています。でも、今からどちらか一方だけ手に入れるとしたら、電子式を一番にオススメします。

家の内外でDIYをいろいろやる中で、壁の裏の下地を探すときは、針式で何も不都合を感じなかったのですが、

天井裏の下地を探すとき、椅子に上って天井に上向きに針を刺す作業ってやりにくいのです。

たまたま椅子に上がったところに下地があれば、ああ良かったーなのですが、もし無いとき手を伸ばして遠くの天井に針を刺すのは、バランスが悪く危ないです。

電子式はその点、壁紙の上を力をかけずに滑らせるだけ、これなら危なげなく下地の確認作業できるので、こちらばかり使っています。

まとめ

ディアウォールで柱を立てる時は特に、天井から遠いところで作業をしがちです。

そのため、天井がぐらぐらしても遠目にはわかりにくい問題があります。

天井の支えの限界を超えて、急に天井板が浮いたら、原状回復をするのは大変です。

仮に一度目は失敗したとしても、二度目はうまく作業を成功させたいですね。

説明した方法を参考にして、ディアウォールを使ったDIYにチャレンジしてみてください。