木工用ボンドの接着強度は、木材へ1mm角を塗布した場合に1キロです。よって1cm角を塗布した場合に100キロは持つ基本性能があります。瞬間接着剤よりも強度は大きいです。

解説
DIYの作業で木材同士を接着するとき、木工のための接着剤と書いてある、木工用ボンドのお世話になることでしょう。
木工用ボンドは溶剤が水系なので、小学校の工作の授業で使うときにも危なくなく、自宅でもちょっとした小物の接着や、木工製品の表面剥がれの補修などに使えます。
そんな用途ですので、木工ボンドであまり重さがあるものを接着するイメージはないかもしれません。
では、そもそも木工の目的で十分な接着強度があるものなのでしょうか。
木工用ボンドの接着強度は?
木工用ボンドの製品パッケージやカタログに、成分は記載されているのですが、強度は記載されていません。
実は、別の技術資料で公開されています。
メーカーは接着強度を決まった規格に則って測定しています。その値が実は
≧10N/mm2
です。Nはニュートンと読む単位です。
1ミリ角あたり10ニュートン以上の、引張せん断強度があります。
引張せん断の試験は、例えば二枚の板を木工用ボンドで接着し、板を互いに逆方向に引っ張ります。
私たちの日常生活でイメージすると、本屋・図書館できれいに並べてしまわれた複数の本の中から、一冊を引っ張り出すような動きです。
ニュートン単位は、1キロが9.8ニュートンとして換算できますので、1mm角の塗布で約1キロ、1cm角の塗布で100キロとなります。
正しく使って、接着力が発揮されるまで静置すれば超強力です。
他の接着剤の強度は?
イメージがわかないかもしれませんので、他の接着剤の接着強度も見てみましょう。
アロンアルフアは、瞬間接着剤として有名です。金属やプラスチック同士を接着するのが得意ですが、この接着剤の接着強度が、
≧7N/mm2
木工用ボンドよりやや低い接合強度です。
どちらも使った経験があると、どのくらいの強さか感覚的にわかるかもしれませんね。
他のテープの強度は?
接着剤ではないですが、マジックテープの値も見てみましょう。
マジックテープは、接着面の距離を離すように剥がすときに弱い反面、長さ方向の引っ張りに強い特長があります。
マジックテープの接着強度は、
≧6.3N/cm2
1cm角あたりで約0.85キロです。同じ面積で考えたら、木工用ボンドの方が約120倍強いですね。