室内で暖房を使うシーズンになると、窓の近くに近寄った時のヒヤっとするあの感じ、嫌ですね。

窓ガラスが外気に冷やされて結露が発生しますし、窓サッシの隙間から屋外の冷気が入ってくることもあります。

出窓のようにサッシの隙間がなくても、窓ガラスが熱を通しますので、温度の行き来があります。

窓の結露と冷たい空気の侵入を同時に対策できる、二重窓的な窓断熱の作り方を説明します。

内窓で冷気を抑える

窓の断熱には、冷気と暖気ができるだけ接触しないよう、窓ガラスよりも熱が伝わりにくい空気層を作ることが大事、と分かっています。複層ペアガラスの窓サッシや内窓は、その原理を使ったものです。

自作では、ペアガラスにするかわりに、既存の窓の内側に空気の流れを止められる第二の窓をつけます。

市販品のように引違い窓の構造にするのは自作では大変なので、一度取り付けたらシーズン中は動かさない、はめ殺しにします。それでも採光がとれるように工夫します。

自作の二重窓ができる条件

団地や賃貸の場合、引違い窓のアルミサッシが壁に直に埋め込まれていることがあります。

しかし、内側に二重窓をつけるためには、アルミサッシの外枠より一回り大きい木製の窓枠がある窓が望ましいです。浴室のように、木枠ではなくタイルや樹脂で窓枠があるものでも可能です。

断熱のための第二の窓は、既存のアルミサッシと離して、窓枠に置きたいからです。

アルミサッシは屋外側まで通じていますので、寒くなれば外気で冷やされます。そのため室内ではアルミサッシの表面が結露してしまうので、サッシに新たな二重窓をとりつけても意味がありません。

室内のアルミサッシに室内の暖かい空気を接触させないように、離れたところに別の空気層を設けてあげます。

空気の熱の伝わりやすさは、ガラスと比べると40~50分の1といわれます。この空気層を作るために使えるいくつかの材料を比較して説明します。

空気を閉じ込めた材料


プチプチやプラダンシートが、窓の断熱として定番です。部材に空気を閉じ込めた構造で、もともとは緩衝材や養生を目的として用いられています。

100均で手に入りますので、コストパフォーマンスにも期待できます。

100均で売られているプチプチ、窓ガラス用断熱シートと、ホームセンターで売られているプラダンシートの違いを見ていきましょう。

プラダンシートは、段ボールと同じ3層構造をプラスチックシートで構成したものです。表面と裏面の中間に空気層があります。構造的に強度が高く、地面に自立させることもできます。

プチプチは、100均の梱包材売り場にも置いてあります。その他に、見た目が近いのに「夏は涼しく、冬は暖かい」との売り文句が書かれた断熱専用のプチプチも手に入ります。

普通のプチプチは、片面はシート状になっていて、もう片面は空気で膨らんだ凸部が並んでいます。一方、断熱シートと書いてある方は、片面ともう片面がシート状になっていて、その間にプチプチした空気の凸部が挟まれています。

普通のプチプチは2層構造で、断熱シートは3層構造です。3層のほうが少し硬く形状の保持強度がありますが、空気層の大きさは2層構造と大差はありません。

100均商品の一例ですが、二層構造のプチプチは1.2m×1.2m、三層構造の断熱シートは0.9m×0.9mとなり。単価は約2倍違います。

光の透過量を比較

二重窓としてつけたいので、どのくらい光が透過するのかも重要です。

プラダンシートは、プチプチや断熱シートより薄いのですが、プラスチックの色味のせいか、やや光の透過量が少ないようです。ちなみに、プラダンの肉厚は2.5mmで、プチプチと断熱シートは3.5mmです。

プチプチと断熱シートは、空気層の大きさは同じです。単価が安い二層構造のプチプチがコストパフォーマンスが良いことになります。

次は、窓断熱の作り方です。

断熱窓の作り方

ところで、窓にプチプチを直接貼りつけるだけでは本当にダメでしょうか。断熱シートは両面テープなどで窓の内側に直接貼り付けることを推奨しています。

窓ガラスを通じて室内の熱が屋外へ伝わるのに加えて、窓レールとサッシの隙間から室内に侵入する冷気が、足元をスースーさせます。隙間風は窓のガラス面にプチプチを貼っただけでは防げません。

プチプチで窓ガラス面の全面をおおったとしても、金属サッシ(アルミサッシ)まで暖気が触れないように覆うことは難しいので、冷えたサッシの表面で結露が発生することは防げません。

つまり、繰り返しになりますが、物理的に窓枠をふさいで冷気の侵入・暖気の逃げをふせぐ必要があります。

自作する木枠を、既存の窓枠に密着させて隙間風をブロックします。空気の層を作るため、更にプチプチを木枠にのみ両面テープで貼り付けます。簡単なしくみです。

木枠の作り方は、別の投稿を参考にしてみてください。

窓枠より一回り小さい木枠になるよう調整し、木枠の外側には肉厚のすきまテープを貼りましょう。

すきまテープの働きで、木枠と窓枠の隙間がうまく埋まるとともに、すきまテープがつぶれたときの反発力で窓枠に密着します。

これで木枠がはめ殺しになり、空気の流れを止められます。

窓枠にプチプチだけを薄い両面テープで貼り付けても、プチプチ自体に強度がなくはがれる部分がでてくることもあります。

より扱い易くするには、薄い両面テープと併用して、網戸ネットを使ってタッカーでも木枠に留めましょう。

網戸ネットは、もともと枠にピンと張って使うもので、光をさえぎらずプチプチをサポートするのに適当である上に、タッカーの針が良くかかる利点があります。

網戸ネットを使って改良版したものでも、採光はさほど変わりません。プチプチは両面テープだけの時よりもしっかりと木枠につきます。

まとめ

作り方は一例ですが、窓サッシの下部・レール部から侵入する冷気をシャットアウトすることを意識して、追加の木枠を設計するとよいでしょう。

プチプチだけで冷気遮断と空気層に仕上げるのが難しい場合は、プチプチは窓に貼り、プラダンで足元に冷気よけを作るなど、機能を分けてもよいでしょう。