太陽光発電を自作!DIYによるベランダソーラー発電の作り方

太陽光発電を自作!DIYによるベランダソーラー発電の作り方

太陽光発電システムというと、ハウスメーカーや太陽光発電事業者が段取りをして、電力会社の電線と接続する申し込みを行うなど、とても素人が手を出せないように思えます。しかし、電力会社の配線や自宅屋内の配線とは切り離された、独立系太陽発電システムであれば、素人でも簡単にに自作ができます。

個人のDIYで迷いやすい、ソーラーパネル容量の決め方、ソーラーパネルの選び方、必要な部品の揃え方、設置方法、接続方法を解説します。

自作太陽光発電のポイント

マンションやアパート住まい、戸建て住まいによらず、必ずソーラーパネルに加え、電気を貯める蓄電池を併用します。太陽が出ている間は発電できますが、夜間は電気が作れません。電力会社の電線と接続している場合は、夜間は電気を廻してもらえばよいのですが、独立系ではそうはいかないので昼間に発電して溜めておく必要があります。

ソーラーパネルの容量

どのくらい発電するのか、どんな家電を動かせるのか、計算のやり方を説明します。

太陽光パネルには公称電力の仕様があります。自作用の製品を探すと、30Wや50W、100W、200Wなどと記載されています。一方で家電には消費電力が表記されており、液晶テレビが150W、洗濯機が500W、ノートパソコンが50Wなどとなっています。

実際は、発電した電力を同時にまるまる家電で使うことはありません。発電した電力が家電の消費電力より多ければ、蓄電池に充電しつつ家電を使えますし、夜間で発電していない時は蓄電池だけで家電を動かすことになります。

そこで、太陽光パネルの発電能力と蓄電池の容量が大事になります。蓄電池の容量は、使いたい家電の消費電力から決まります。家電の消費電力を決定し、蓄電池の容量を決定し、太陽光パネルの容量を決定、という順番です。

150Wの液晶テレビを一日8時間動かすと想定して、計算の例を示します。わかりやすさを考え、まずは大胆にシンプルな計算で示します。

150Wの消費電力は、100ボルトの実効電圧で1.5アンペアの電流を常に流した状態です。これを8時間使うと、1.5アンペア×8時間=12Ah(アンペア・時間)の電流を使います。蓄電池を毎日満タンにして使うとして12Ahの容量が必要です。

太陽光パネルの要件は、蓄電池が持つ12Ahの容量を一日の発電で満タンにするだけの性能、と考えてみます。太陽光発電は、晴れ・曇り・雨・雪と様々な日射環境で動作します。一日単位でも見ても、日の出から日の入りまでずっと発電できるわけではありません。

日本の一年間の日照時間は平均で1,850時間 (wikipediaより)、365日で割ると一日当たり約5時間となります。日照時間が最も短い秋田県は1,500時間台のため、約4時間です。

朝日が昇ったばかりや夕方日が沈む前などは大して発電できませんので、前提条件は「一日3時間」にします。12Ahを充電するには、12Ah÷3時間=4アンペアの発電電流が必要です。

これを太陽光パネルの仕様にあてはめますと、DIY用で一般的な電圧17~18ボルトのパネルであれば、50Wでは少々足りず(50÷17≒3A)、100W(100÷17≒6A)ならば安全ということになります。

もう少し正確さを上げ、かつ余裕を含めた値で行きますと、

①蓄電池が出す直流電気から、液晶パネルが使う交流電気に変換するための中間のDC-ACインバータがあり、変換効率=80%と想定

1.5アンペア×8時間÷0.8=15Ah、蓄電池は15Ahの容量が必要

②鉛蓄電池は終止電圧が10.5Vで設定されていますが、過放電ぎみになると早く弱ってしまうため、残量に余裕残しで使うとし、放電容量は仕様の80%と想定

15Ah÷0.8=18.75Ah、蓄電池は18.75Aの容量が必要
18.75Ah÷3時間=6.25アンペア、一時間に6.25Aの電流で充電してあげる必要あり

③チャージコントローラの変換効率は95%

6.25A÷0.95≒6.6アンペア、太陽光パネルは6.6Aを出力する必要あり

これを太陽光パネルの仕様にあてはめますと、100Wでやや足りないということになります。

選ぶパーツは、パネル以外は仕様ぎりぎりでは電気的に危ないため、

太陽光パネル→17~18V定格電圧のもので、100Wサイズ
チャージコントローラ→12V~24V入力-10A対応
鉛蓄電池→端子電圧12V、5時間率 15Ah以上
DC-ACインバータ→12V-200Wクラス

となります。

ソーラーパネルの選び方

自作用のソーラーパネルには、主に単結晶シリコンタイプ、多結晶シリコンタイプがあります。筐体はアルミフレームタイプでがっちりしたもの、フレキシブルシートタイプでやや柔軟かつ軽いものが選べます。

太陽光の変換効率の点では、今は単結晶、多結晶ともに際だった差はありません。太陽光発電業者であれば、コスパを考えて価格と発電量をよく吟味するところですが、個人ユースでは差がないのでどちらを選んでも構わないです。

筐体の違いで、がっちりとアングル固定するならアルミフレームタイプ、可搬性を重視するならフレキシブルタイプなどを選ぶ手もあります。

ベランダやバルコニー設置の場合、強風でバタバタとはためくと配線の機械寿命が縮まるので、重いですが自立できるフレームタイプが良いと思います。

必要な部材

太陽光発電のDIYに必要な部材を説明します。

まず、ソーラーパネルとチャージコントローラは必須のアイテムです。発電した電気を貯めて雨の日や夜にも使いたい!と思う方は、バッテリーが必要です。発電した電気でちょっとした家電を動かそうと思う方は、電気の直流と交流を変換するインバータが必要です。

これらを個別に最安値のところから調達すれば良いですが、部材選びに不安をお持ちの方は、ソーラー発電キットを購入すると良いです。配線やコントローラは含まれています。蓄電池や、電気の直流と交流を変換するインバータは含まれていないことが多いため、別途調達してください。

我が家の調達部材です。

太陽光パネル
自動車用バッテリー
チャージコントローラー
DC-ACインバーター
電線類

番号 部材 仕様 数量 価格(税込)
1 ソーラーパネル 50W
単結晶シリコン
1 \7,520
2 チャージコントローラー 12V-5A 1 \3,000
3 VCTFコード丸型 0.75mm2 必要メータ数 ※1
4 自動車用バッテリー 80B24L
パナソニック
1 ※2
5 DC-ACインバーター 12V-150W 1 \1,800
6 電線保護管 φ16mm 10m x1 \1,000
7 シガーソケット用
USB充電器
ホワイト 1 \108

※1 余っていたテーブルタップのコードを再利用
※2 自家用車の中古鉛蓄電池を再利用、新品なら\15,000程度

接続方法

この配線図のように接続すれば動きます。気を付けた点を下記に説明します。

チャージコントローラ、バッテリーの接続

チャージコントローラの最大負荷電流が5アンペアと低く能力不足のため、インバータへの12V配線は、直に蓄電池から引き出し電流量を稼いでいます。最大負荷が大きいか、インバータ容量が十分に小さければ、チャージコントローラに接続しても構いません。

配線工事の時の注意事項は、車のバッテリー交換のやり方と同じです。不要に工具で端子を触って感電しないようご注意ください。鉛蓄電池を増設した時の記事もご覧ください。配線接続作業や増設の接続図も掲載しています。

バッテリー、チャージコントローラ、DC-ACインバータは、屋外設置としました。理由は、壁の引込孔がないため、太陽光パネルから引き出された太く曲がりにくい電線を窓の隙間から通せないこと、バッテリーやコントローラを置く適当な(=邪魔にならない)場所を室内に準備できないためです。

屋外設置とはいえ、電子機器が雨風に晒されると危ないため、プラスチックケースに収納しました。AC100Vへ変換した後の電線を、窓の隙間から室内に引き込んでいます。

太陽光発電の完成

我が家のバルコニーに平置きで固定された、50W太陽光パネルです。固定用に、100均で手に入れた布製バンドを使っています。

パネルの定格が17V-3A、バッテリーの仕様が46Ahです。前半の計算を使って実力を示します。

太陽光パネル出力 3A→鉛蓄電池への充電電流 3A×0.95=2.85A
バッテリーの80%充電量→46Ah×0.8÷2.85A=12.9時間、よって満充電まで約4日強(3時間×4日)
バッテリーの80%充電量での液晶テレビ動作時間→46Hr×0.8÷1.5A=24.5時間

太陽光パネルの設置は、太陽光を正面から受けられる30度などの斜めが望ましいと聞きます。春・夏・秋・冬の日の出から日の入りまで、刻々と変わる太陽の日射角度を考えると傾けたいのですが、その代り架台を設計して自作するか、傾斜を持ったところに固定する必要があります。

ベランダに置きたいため、簡便に固定し台風や強風へ簡単に備えることを重視した結果、発電効率が犠牲になることを承知で平置きする方法をとりました。

バルコニー手すりに平置きし、強風への備えで布製バンドを使って固定しています。これであれば、マンションのバルコニー(共用スペース)に穴開け固定をしないので許容される可能性があります。

ソーラーパネル上を布製バンドが通る箇所は日光を遮ってしまうので、もともとソーラーパネル上で電極が通っていて陰になっている箇所(銀色の配線部)に重ねて、影響を小さくしました。

絶対にパネルを階下に落とさないよう、バンドの固定方法にも注意が必要です。できるだけ風の影響で位置がズレないよう、バンドを一巻きではなく複数巻き、好ましくは8の字のように(下記の写真を参照)配線してロックします。

ただし、巨大台風の天気予報が出ているときは、予め外して太陽光パネルを避難しています。

ソーラーパネルから電線管に電線を入れて、チャージコントローラまで配線します。日当たりが良く、バルコニー塗装も数年で薄くなるほどですので、電線を紫外線から守るために電線管を使いました。

100均で手に入れた大きい米ビツに、左から自動車用バッテリー、DC-ACインバータ、写真で見えにくいですがバッテリーの上にチャージコントローラを格納しました。蓋にアルミ箔を貼り、紫外線と温度上昇の対策をしています。

80B24Lの自動車用バッテリーは、ちょうど米ビツの深さにぴったりおさまります。隙間にDC-ACインバータを置き、チャージコントローラはバッテリー上面と米ビツの蓋との間に置きます。

チャージコントローラへの入力は太陽光パネルからの配線、コントローラからの出力は12Vのシガーソケット用USB充電器とDC-ACインバータです。写真には反映されていませんが、外部に露出していて電線管に入っていない部分の電線には、紫外線対策でアルミ箔を巻きます。

DC-ACインバータは、AC100Vの出力側を上にして置きます。電線配線はそれぞれの隙間に収納します。

DC-ACインバータからのAC100V用電線は、部屋の中まで引きこんでコンセントをつけました。インバータの動作スイッチも追加加工して部屋の中まで電線を引き込み、使うときのみ手元でOn/Offをできるようにしています。写真に見える白黒の電線が動作スイッチの引き込み線です。

なぜなら、インバータは直流→交流の変換を行う際に電力を消費するため、つけっぱなしにするとバッテリー充電量がじわじわ減ってしまいます。

12Vのシガーソケット用電線も部屋まで引き込み、シガーソケット用充電器(12V→5V変換)と直結しました。USBポートが付いているものです。

まとめ

太陽光発電システムの自作は、電気のショートに気をつけて行えば、危険な作業はほとんどありません。電力会社からの電気とは独立した、自分だけの発電設備を持っているのは心強いです。皆さんも取り組んでみてはいかがしょうか。

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