壁美人のホッチキス針が刺さらないとき、一般的な石膏ボードと異なり、石膏ボード自体に混ぜ物があるか表面が厚紙以外の材料で被覆されている可能性があります。
この問題がなくてうまくできないときは、針の角度にこだわらずまっすぐ気味に刺します。
解説
壁美人のホッチキスが刺さらないなら
賃貸でも、狭いワンルームや1Kでも、一人暮らしの作業で壁付け収納を作れる!
ホッチキスで固定するので、壁に付けた傷がわからず原状回復も問題ない、
という触れ込みのDIY部品「壁美人」がSNSで評判です。
メーカーのウェブサイトでは、石膏ボード専用であることがうたわれています。
しかし、石膏ボードであってもホッチキスの針が刺さらないものがあり、何回やってもホッチキスの針を曲げて失敗してしまいます。
石膏ボードの原因
住宅用の一般的な石膏ボードは、焼成した石膏の芯材の表裏を厚紙でおおってできています。
表面が紙ですので、水等には弱い代わりに釘やビスを打つことができます。
ただし、一般的なもの以外では、ホッチキスの針が想定通りに刺さらない恐れがあります。
例えば、石膏にもっと耐火性をもたせるためにガラス繊維を混ぜ込んだ強化品、大型建築物用に強度を増した硬質品、住宅の水回り用に防水加工をした耐水品などです。
壁の目立たないところでホッチキス針を刺してみて、まったく刺さらないようでしたらボードの種類が原因です。
この場合は壁美人に頼ることはできません。他の方法を使いましょう。
固定方法の原因
壁美人で固定に使っているプラスチックは、ポリカ(ポリカーボネート)です。飛行機や新幹線の窓にも使われている強いプラスチックです。
固くて平らなポリカの面に斜めに針を向けるので、うまく刺せないことも起こりやすいのです。
こんな時は30度にこだわらず、刺さりやすいまっすぐ気味に刺すのがコツです。
まっすぐ気味だと刺しやすい代わりに抜きやすくもなります。
そこで、ホッチキスの針を傾ける向きを、一本ごとに逆にします。
ホッチキスの針の向きが揃っていると、抜けやすくなります。
向きがばらばらだと、かかった力が分散するので一本のホッチキス針にかかる力は減り、抜けにくくなります。
もし失敗しても同じ穴はダメ
同じ穴に刺すことの怖さは、特定のホッチキスの針にだけ荷重がかかってしまい、落下の危険が増すことです。
絵にあるように、一度使ったポリカに空いた穴は、ホッチキスの針のサイズより広がっています。
広がった穴に針をもう一度刺すと、ポリカとあまり接しない針ができてしまいます。
例えば、左上の針以外は穴の上部に接しておらず、重量を支えないので、左上の一ヶ所だけに大きい力がかかってしまいます。
使っている間に壁美人が抜けてしまうのは避けたいですね。同じ穴を使うのは止め、必ず新しい場所に針を刺すようにしましょう。
メーカー推奨では、失敗したら別の場所に刺すようになっています。
また、最初に空いた穴と新しく針を刺した穴が近い配置になると、吊るしたものの重みで穴が破れて連結し、穴のサイズが広がってしまいます。十分に注意しましょう。
その他の手段は
どうしてもホッチキスの針で固定できなければ、もっと貫通力があり固定する力が高い方法に変えます。
ホッチキスの針の代わりに、石膏ボード用ビスや、壁の裏の下地に届かせる通常のビスやコーススレッドを使います。
賃貸で壁にネジ穴を開けられない場合は、ディアウォール等で2×4材を壁以外の天井・床で突っ張って、丈夫な柱が立ったら必要な収納を固定すると良いでしょう。