木工用ボンドの弱点である水や熱を併用し、接着部分を壊しながら剥がします。さらには、接着した隙間にこじり棒を差し込み力をかけ、接着部分を広げながら?がします。すると、最終的に木材表面や内部にしみこんだボンドのカスは残りますが、接着していた木材は剥がせます。
(こじり棒が接着した隙間に刺さり、うまく剥がせました)
木工用ボンドを取る方法

木工ボンドは有名で、100均でも買えるほどに普及しています。
こうして多くの人が気軽に使うにもかかわらず、木工用ボンド専用の剥がし液がありません。
そこで、身の回りにあるものを使い、木工用ボンドで接着した木材を取る方法となります。
木工ボンドに ①水分を含ませる ②熱をかける 目的で剥がしたいものをぬるいお湯に浸します。しばらく待つと、柔らかくなります。こうして水や熱を与えて更に ③力をかける と木材同士に隙間が開きます。ですので、剥がしたい場所の隙間を広げる方向に常に力をかけるよう工夫します。
水分を含ませる
接着している木工ボンドの中に、水分を染み込ませると接着が弱くなります。
一つ、分かりやすい例をお見せします。

上の写真では、プラスチックのペットボトルのフタに木工用ボンドを塗って、乾燥させました。
塗布した後、とくに圧迫などはしていませんが、木工ボンドはよく密着していて全く取れません。


上の写真は、乾燥して密着した木工用ボンドに水をかけて、ふやかしたものです。
木工ボンドが水分と接触すると、水分が内部に浸透し、また元の白い色合いに戻ってきます。
このように水を含んだ状態で、工具などを使って力をかけると剥がすことができます。
ただし、
①プラスチックのフタにはボンドがしみこまない、
②片面のみの接着で水分を接触させやすい、
と好条件のため、簡単にはがすことができます。
金属やガラスに木工用ボンドが付いたときも、同じ方法で剥がせます。
熱をかける
接着している木工ボンドは熱に弱いことを利用し、剥がしたいものをぬるいお湯に浸します。(※注1)
サイズ的に可能ならば、お湯でしばらく煮るとよいでしょう。
接着部分をドライヤーで温めてもよいですが、水分も飛んでしまうので、時々水を与えてあげます。
お湯を使っても、木工ボンドは容器に入っていた時の柔らかい状態まで溶かすことはできませんが、接着したもの同士の隙間にある木工ボンドは、この方法で壊して剥がせます。
力をかける
実際の作業では、木材同士を接着して木工ボンドが固まると、水分の染み込む隙間も無くなります。
よって、木工ボンドの中心まで水分を到達させることはとても難しいです。
そこで、剥がしたい場所の隙間を広げる方向に、常に力をかけておくような工夫をします。
たとえば、マイナスドライバーを木と木の隙間に差し込んで、こじり続けるようなやり方です。
マイナスドライバーが入らないほど木と木の隙間がせまく、ぴったりと付いているときは、プライバーと呼ばれる工具でこじった方が良いです。


マイナスドライバーとは違い、すきまに差し込んでこじるための工具なので、先端は薄くなっており、胴の部分も硬くできています。
いわゆる、金庫やATMを開ける事件にも使われる バール のようなものです。
まずは手持ちのマイナスドライバーで試してみるとして、うまくいかない時はこじ開ける専門工具に頼りましょう。千円もしない安価なものです。
こんな専門工具だけあってもねぇ、と思うかもしれませんが、他にもペンキ缶などの蓋開けや両面テープで付けてしまったものをはがすとき、特殊な例では自転車のパンク修理でタイヤをホイールから外すなど、くっついちゃったものを難なくこじれる便利な工具です。
注意点
なお、塗った相手の素材の違い、塗り方、塗布量などは様々で、かならずうまくいくとは言い切れません。
そして、接着した木材の表面や染み込んだ木工用ボンドは完全には取れません。跡は残りますのでご注意ください。
関連する情報
→そもそも、木工用ボンドが接着する理由