回答:
ラブリコは推奨よりカットを減らし、90mm以上、95mm以下の範囲が良い。ディアウォールはマイナス42mmやマイナス40mmぐらいのやや大きめで良い。その他は本文を参照。
解説
賃貸でも、狭いワンルームや1Kでも、一人暮らしの作業で2×4材の収納を作れる!突っ張り式なので2×4材や1×4材の柱を立てても賃貸に傷をつけない、という機能的なDIY部品「ディアウォール(diawall)」「ラブリコ(labrico)」「ウォリスト(walist)」が人気です。
アイデア次第でおしゃれなインテリアを作れるのですが、突っ張り部品を使うときの木の長さの計算は失敗しやすいところです。マイナス何センチなら良いのか、95mmというけれど間違えて90mmになったらダメなのか、使い方の説明に寸法の調整範囲が書いてない、など、疑問がわきます。
ここでは、柱のカットサイズの許容幅を説明します。
公称取り付けサイズ
最適なカット長さを求めるにあたって、まずは公称のサイズを確認しておきましょう。各製品の使い方の説明書には、使用する2×4材をマイナス何センチの高さで準備するか示されています。
・ラブリコアジャスター→マイナス95mm
・ディアウォール→マイナス45mm
・ラブリコアイアン→マイナス75mm
・ウォリスト→マイナス60mm
次に、公称のサイズがどのような思想に基づくのかを見てから、もっと良い調整ができる許容範囲を説明します。
ラブリコアジャスターの寸法
ラブリコアジャスターの構造のポイントは、
木材の天井側に取り付ける上キャップには、ジャッキで天井を突っ張る天キャップのネジ胴を入れる縦穴(バカ穴)があいている、
バネの可動範囲は殆どない、バネの突っ張り力は小さい
という点です。
実際の調整幅を、上キャップ、天キャップで確認します。
天キャップのネジ胴が上キャップの縦穴にぎりぎり掛かる程度の位置で、天キャップの天井面は木材の先端から約118mmの位置になりました。ただし、この位置ではネジ胴が上キャップから外れる恐れが高く、危険です。
天キャップのネジ胴を上キャップの縦穴に最大に押し込む位置で、天キャップの天井面は木材の先端から約80mmの位置になりました。よって、118-80=約38mmの可動範囲があります。
天キャップのネジ胴の約3分の1が上キャップの縦穴に入る位置で、天キャップの天井面は木材の先端から約93mmの位置になりました。多少ぐらつきは出るので、もう少しネジ胴を入れた方が安心です。
下キャップの寸法も確認します。
下キャップの床面は木材の先端から約7mmの位置になりました。
ラブリコアジャスターの調整幅
最大側は、ねじを全く押し込んでいないゆるゆるの状態ですが、木材長に対し、プラス約125mmです(天井側118mm/ 床側7mm)。
反対に最小側は、ねじをパッド端まで完全に回しきった状態を示し、木材長に対し、プラス約87mmです(天井側80mm/ 床側7mm)。
ラブリコの公称取り付け寸法は木材長に対しマイナス95mmですので、下キャップの肉厚(約+7mm)を考慮し、天キャップの可動範囲 約118mm~約80mmのうち、短めの約88mm(=95-7)の位置で使うことを推奨しています。
ネジ式ジャッキで突っ張り荷重をかけるので位置による力の差はありませんが、上キャップはのネジ胴の傾きを支える程度しか働かないので、ネジ胴を上キャップに押し込むほど安全です。推奨よりカットを減らし、90mm以上、95mm以下の範囲でカットすると安心でしょう。
安全だから、と闇雲にネジを突っ張ると、上部の板を突き破ってしまうトラブルを起こします。ご注意ください。
ディアウォールの寸法
ディアウォールの構造のポイントは、
木材の天井側に取り付ける上パッドには突っ張り用のバネが備わっている
木材の床側に取り付ける下パッドにはバネはなく、高さ調整のスペーサが二枚入れられる
という点です。
上パッドの寸法を確認します。
突っ張り用のバネに力をかけない状態で、上パッドの天井面は木材の先端から約40mmの位置になりました。
突っ張り用のバネに最高に力をかけバネを押し込んだ状態で、上パッドの天井面は木材の先端から約20mmの位置になりました。約20mmの可動範囲があります。
下パッドの寸法を説明します。
スペーサがない状態で、下パッドの床面は木材の先端から約13mmの位置になりました。
スペーサを二枚いれた状態で、下パッドの床面は木材の先端から約18mmの位置になりました。スペーサ一枚当たり、約2.5mmとなります。
ディアウォールの調整幅
最大側は、ばねを全く押し込んでいないゆるゆるの状態ですが、木材長に対し、プラス約58mmです(天井側40mm/ 床側18mm)。
反対に最小側は、ばねを完全に押し込んだキツキツの状態を示し、木材長に対し、プラス約33mmです(天井側20mm/ 床側13mm)。
ディアウォールの公称取り付け寸法は木材長に対しマイナス45mmですので、下パッドにスペーサを入れない状態(約+13mm)で、上パッドの可動範囲 約40mm(バネ弱)~約20mm(バネ強)のうち、バネが弱い側の約32mmの位置(=45-13)で使うことを推奨しています。
したがって、公称取り付け位置ではぐらぐらする時もあるため、マイナス42mmやマイナス40mmぐらいのやや大きめで良いです。注意したいのは、天井と床を突っ張る高さが1,820mm以上のときに限って大き目に出来るという点です。
元の木材寸法が短いと、最大にバネを押し込んでも木材が床につっかえて入らなくなります。ご注意ください。
ラブリコアイアン
ラブリコアイアンの構造のポイントは、
木材の天井側に取り付けるアジャスターには、天井を突っ張る板には正ネジ(右ネジ)、2×4材を突っ張るコの字枠には逆ネジ(左ネジ)がついており、中間の雌ネジ胴を回すと互いに離れて突っ張る仕組み
という点ですね。
ラブリコアイアン、ウォリストの両者を対比しながら説明します。
ウォリスト突っ張りジャッキ
ウォリスト突っ張りジャッキの構造のポイントは、
木材の天井側に取り付ける本体は、パンタグラフジャッキに似た、水平方向の力図天井を突っ張る垂直の動きに変換する構造
となっております。
調整ネジは水平バネの片端固定位置を変えるためのもの、固定位置を最大するとジャッキが最も上方へ上がる仕組み
ラブリコアイアン、ウォリストの両方とも、2×4材や1×4材の床側に取り付けるキズ防止シートが添付されています。約2mm厚で同等です。
両部品のジャッキを最も伸ばした状態の位置で、ラブリコアイアンは木材の先端から約102mmの位置、ウォリストは木材の先端から約76mmの位置になりました。ラブリコアイアンは、中間の雌ネジ胴から突っ張りの雄ネジがほぼ出てしまい、この状態で使うのは危険です。
両部品のジャッキを最も縮めた状態の位置で、ラブリコアイアンは木材の先端から約62mmの位置、ウォリストは木材の先端から約40mmの位置になりました。
ラブリコアイアンは約50mmの可動範囲があります。ウォリストは約36mmの可動範囲です。
ただし、ウォリストはネジのジャッキ力が掛かり始める位置まで上げてあげる必要があり、約54mmあたりから上でネジのジャッキ力が掛かります。
ラブリコアイアンの調整幅
最小側:木材長に対し、プラス約64mmです(天井側62mm/ 床側2mm)。
ラブリコアイアンの公称取り付け寸法は木材長に対しマイナス75mmですので、下部シートの肉厚(約+2mm)を考慮し、ジャッキの可動範囲 約102mm~約62mm(安全側)のうち約73mmの位置(=75-2)で使うことを推奨しています。
推奨位置は、雄ネジ雌ネジの掛かり数が多めの、荷重を多く受けられる安全側です。推奨よりややカット長を減らし、70mm~75mmなら強度が増します。
ウォリストの調整幅
最小側:木材長に対し、約42mmです(天井側40mm/ 床側2mm)。
ただし、バネのジャッキ力がかかり始める最小側は、木材長に対し、プラス約56mmです(天井側54mm/ 床側2mm)。
最大側:木材長に対し、プラス約78mmです(天井側76mm/ 床側2mm)。
ウォリストの公称取り付け寸法は木材長に対しマイナス60mmですので、下部シートの肉厚(約+2mm)を考慮し、ジャッキの可動範囲?約76mm(バネ弱)~約56mm(バネ強)のうち約58mmの位置(=60-2)で使うことを推奨しています。
もともとバネ強側が推奨位置ですので、さらにカット寸法を減らすことはないでしょう。反対に、カットが多く木材が短めになっても、バネ力には余裕がある作りです。
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